【新型コロナ】売り上げ回復へ打開策模索/八戸のホテル業界

売り上げ回復へ打開策を模索するホテル関連業界。経済的影響の連鎖を食い止めようと奔走している(写真はコラージュ。左上から時計回りに、特製弁当を作る八戸プラザホテルの従業員、弁当やオードブルをPRする八戸パークホテルのチラシ、寝具類をクリーニングする八戸リネンサプライ)
売り上げ回復へ打開策を模索するホテル関連業界。経済的影響の連鎖を食い止めようと奔走している(写真はコラージュ。左上から時計回りに、特製弁当を作る八戸プラザホテルの従業員、弁当やオードブルをPRする八戸パークホテルのチラシ、寝具類をクリーニングする八戸リネンサプライ)
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛ムードで苦境に立たされている八戸市のホテル業界が、売り上げの回復へ打開策を模索している。宿泊や大人数の宴会が軒並みキャンセルとなった現状を受け、持ち帰り料理や小規模会食の営業を強化。新たなニーズの掘り起.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛ムードで苦境に立たされている八戸市のホテル業界が、売り上げの回復へ打開策を模索している。宿泊や大人数の宴会が軒並みキャンセルとなった現状を受け、持ち帰り料理や小規模会食の営業を強化。新たなニーズの掘り起こしに奔走し、ゴールデンウイーク(GW)も見据えて挽回を期す。一方、飲食・宿泊業を“入り口”とした経済的な影響は多方面に連鎖しており、経済関係者は「これ以上、消費や経済の停滞を招いてはならない」と警鐘を鳴らす。[br] 八戸ホテル協議会によると、加盟する市内18ホテルは稼働が低迷。倉田任康会長は「全体的に前年同期の半分以下になっているのではないか」と話す。昨年は市内で複数の大型工事があり、工事関係者の宿泊で好調だっただけに、客足の落ち込みが際立っている。[br] 事業所が集積する八戸は出張客が多いものの、今は各企業が出張を制限しており、あるビジネスホテル関係者は「観光客に続いて出張客も激減した」と嘆く。一部のホテルは1泊3千円以下にしてPRしている。[br] 宴会場やレストランを備えたシティーホテルは宿泊に加え、宴会部門のダメージも大きい。八戸プラザホテルは2月下旬以降、学校の卒業式後の謝恩会や企業・団体の送別会といった大人数の宴会が200件以上もキャンセルになった。[br] こうした状況を踏まえ、同ホテルは職場などでも食べられるように、特製弁当やオードブルなどの料理販売に注力。弁当は和洋中のバリエーションを設け、パティシエが作るデザートも用意した。小泉純一営業部長は「個人の注文も多くなった。新たな販売チャンネルを増やしたい」とし、ホテルメイドのメニューで売り上げの改善を目指す。[br] 多くの中学校で卒業式が行われた14日、同ホテルは中止になった謝恩会の代わりに保護者へ配られる特製弁当約180個を受注した。佐々木隆治総支配人は「弁当の販売で少しでも補えれば。歓送迎会なども普段より小規模にして開催してほしい」と呼び掛ける。[br] 八戸パークホテルでも、大人数の宴会のキャンセルが相次いだため、小宴会への対応に乗り出した。2~10人用の会場もセッティングしており、原守男営業本部長は「消毒や換気など感染予防をしている。小規模会食やレストランの利用も大歓迎」とアピールする。[br] 同ホテルは4月中旬からGWにかけた春の行楽期を見据え、お花見用の弁当やオードブルの予約の受け付けを開始。新たなニーズの開拓を進め、次のシーズンでの巻き返しを図る。[br] 一方、ホテルや飲食業界の不振は取引業者にとっても痛手だ。寝具類やテーブルクロスなどのクリーニングを手掛ける八戸リネンサプライ(八戸市)は、ホテルの稼働減のあおりを受けて受注が落ち込んでいる。石橋敏文社長は「経費を削減していても限度がある。先行きが見えないのが一番怖い」と窮状を訴える。[br] 感染終息が長引けば、いずれ産業界全体に悪影響が波及する。地元の経済関係者は「青森県のように中小企業が中心の地方は経営体力が続かない。健康問題なので難しい側面もあるが、消費の停滞を食い止め、経済を循環させることが重要だ」と強調する。売り上げ回復へ打開策を模索するホテル関連業界。経済的影響の連鎖を食い止めようと奔走している(写真はコラージュ。左上から時計回りに、特製弁当を作る八戸プラザホテルの従業員、弁当やオードブルをPRする八戸パークホテルのチラシ、寝具類をクリーニングする八戸リネンサプライ)