「新改善計画認められなければ休止も検討」 魚市場A棟で八戸市長

稼働が極端に低迷する八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟について、小林眞市長は16日の市議会予算特別委員会で、2020年度中に策定を目指す新たな改善計画が国に認められない場合、「休止も含め抜本的な改善策の検討に入らざるを得ない」との考えを表明し.....
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 稼働が極端に低迷する八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟について、小林眞市長は16日の市議会予算特別委員会で、2020年度中に策定を目指す新たな改善計画が国に認められない場合、「休止も含め抜本的な改善策の検討に入らざるを得ない」との考えを表明した。A棟を巡り、市側が休止に触れたのは初めて。[br] 市が現在取り組んでいる改善計画の実績は、目標の3万1200トンに対し17年度が7・4%、18年度は4・9%、19年度は1・2%の見込み。A棟運用上の赤字は、供用開始以降の12~18年度で計4億1756万円に上り、19年度もさらにマイナスが増えるのは確定的だ。[br] 低迷が続けば、整備に要した補助金5億5千万円の返還を国に迫られる可能性がある。市は20年度中に事後評価と新たな改善計画を策定し、運用を続ける構えを示している。[br] 特別委では五戸定博委員(きずなク)が「赤字の垂れ流しを見過ごす訳にはいかない。市長の決断が必要」と、小林市長に特別委への出席と答弁を求めた。[br] これを受け、休憩を挟んだ後、出河守康農林水産部長が市長のコメントを代読する形で考えを表明。A棟整備の経緯について、水産業界関係者との間で「協議・説明が十分でない点があったとすれば、真摯(しんし)に受け止める」と述べた。[br] 新たな改善計画が国に認められない場合は「補助金の返還など、国からの指示に従うものであり、その時点で休止も含め抜本的な改善策の検討に入らざるを得ない」と言及。ただし、「そのような事態にならないよう」とした上で、サバ以外の魚種の取り扱いや流通大手と連携した販路拡大といった方策を講じ「A棟を継続して運用していく所存」と続けた。[br] 席上では、市側への批判が続出した。山名文世委員(新緑・無所属)はA棟のサバの浜値が第1魚市場より安いと強調。これに対し、茨島隆水産事務所長は「A棟の魅力が価格に反映されていないのは重く受け止めている」と述べた。[br] 伊藤圓子委員(同)は、新たにイワシを取り扱う計画について「単価が安く、A棟で水揚げする意味があるのか。身が弱いのでフィッシュポンプなどの搬送に耐えられないのでは」と指摘。間英昭同事務所次長は「稼働率を上げるのが目的。船主からの要望もある」などと理解を求めた。