調査中の八戸重文1点折損、岩手県立博物館無断切り取り問題

岩手県立博物館(盛岡市)の学芸員が、鉄製の文化財の一部を所有する自治体に無断で切り取っていた問題で、県教委は16日、実態把握の調査過程で、八戸市の国指定史跡・丹後平古墳群から出土した重要文化財「方頭大刀(ほうとうたち)」1点が折損した―と発.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 岩手県立博物館(盛岡市)の学芸員が、鉄製の文化財の一部を所有する自治体に無断で切り取っていた問題で、県教委は16日、実態把握の調査過程で、八戸市の国指定史跡・丹後平古墳群から出土した重要文化財「方頭大刀(ほうとうたち)」1点が折損した―と発表した。現在、専門機関に修理を依頼しており、年内に修復予定。また、無断処理をしていたとして、文化財の保存や科学分析を担当していた赤沼英男上席専門学芸員(62)を同日付で解雇した。[br] 問題を巡っては、昨年6月、赤沼氏が調査目的として処理依頼をした各自治体の了承を得ずに、一部を切り取るなどしていたことがが発覚。県教委が現在、文化財の無断処理の有無を確認作業を行っている。[br] 県教委によると、今年1月18日、同博物館でエックス線撮影をするため、専門業者が八戸市博物館で対象の文化財の梱包を行ったが、運搬車両に積み込む前に再確認したところ、長さ48・5センチの方頭大刀の中央付近が破損しているのが分かったという。[br] その後、県立博物館への輸送は中止。2月25、26日、市博物館で移動X線撮影車を用いて対象文化財計79点の撮影を実施した。4月以降に専門家会議で審査後、調査結果が公表される見こみだ。[br] また、赤沼氏の解雇理由について県文化振興事業団は16日、「虚偽の説明をするなど、職員としての職務能力が欠如している」などと説明した。