使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)の新規制基準への適合性を確認する審査を巡り、日本原燃は13日、これまでの審査会合での指摘事項などを踏まえた補正申請書を原子力規制委員会へ提出した。規制委事務方の原子力規制庁が今後、補正書を基に事実上の合格証(審査書案)を取りまとめる見通し。ただ、規制委は重大事故対策に関する補正部分を巡り、審査会合を再開する可能性を示唆しており、今回の補正が最終となるかは不透明だ。[br] 補正書では、原子炉に対する要求事項を踏まえ、▽ケーブル火災向けの固定式消火設備の設置▽竜巻対策で防護ネットを取り付けるための冷却塔新設―などを追加。[br] 重大事故対策では、ウランやプルトニウムの入った溶液内で核分裂反応が起きる「臨界」や、薬品火災が発生した場合に放射性物質の閉じ込め能力を強化するため、ステンレス製のタンクを前処理建屋などに設けることも盛り込んだ。[br] 補正申請は18回目で、分量は約1万ページ。補正書作成は300人体制、確認作業は別に約130人が従事した。大手電力会社の社員約20人が原燃の東京事務所に常駐し協力したという。[br] 再処理工場の審査は2月21日に一通りの議論が終了。その後、原燃は2月中としていた補正書の提出時期を3月中旬に先送りした。[br] 2021年度上期に設定する完工目標に向け、早期の審査合格を目指す原燃だが、規制委の更田豊志委員長は「次の補正が最終になる可能性は多分ない」との認識を示している。[br] また、原燃は13日、新基準施行前に提出した、再処理工場と高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設(同村)に関する一部申請を取り下げた。新基準などを反映し再提出するが、追加で生じる対策はないとしている。