全国の宗教者ら、再処理工場の運転差し止め提訴/東京地裁

東京地裁に入る岩田雅一氏(前列右端)ら原告=9日、東京・霞ケ関
東京地裁に入る岩田雅一氏(前列右端)ら原告=9日、東京・霞ケ関
使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)の運転は憲法違反だとして、全国の宗教者らが9日、日本原燃を相手取り、工場完成後の運転差し止めを求めて東京地裁に提訴した。原燃を被告に運転差し止めを求める民事訴訟は初めて。 再処理工場は現在、完成や操業開始.....
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 使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)の運転は憲法違反だとして、全国の宗教者らが9日、日本原燃を相手取り、工場完成後の運転差し止めを求めて東京地裁に提訴した。原燃を被告に運転差し止めを求める民事訴訟は初めて。[br] 再処理工場は現在、完成や操業開始に必要な原子力規制委員会の審査中。原燃は2021年度上期の完成を目指しており、切迫してきた場合には仮処分の申し立ても検討するという。[br] 原告は「原子力行政を問い直す宗教者の会」の仏教、キリスト教信徒ら211人。日本キリスト教団八戸北伝道所(八戸市)の岩田雅一牧師、真言宗明通寺(福井県)の中嶌哲演住職が共同代表を務める。弁護団は「脱原発弁護団全国連絡会」の河合弘之共同代表ら3氏。[br] 訴状などによると、工場は事故時に大量の放射性物質を放出するほか、高レベル放射性廃棄物を増やし続けることは将来への負担の押し付けだと指摘し、憲法上の人格権を侵害すると主張。工場の耐震性についても「推測と計算による仮説で、未熟な学問を基に設定するのは間違い」とした。[br] 提訴後、同地裁で記者会見した岩田氏は「未来にこれ以上、負の遺産を負わせてはいけない」と訴えた。一方、原燃は取材に「訴状が届いていないのでコメントを控えたい」と述べた。[br] 再処理工場を巡っては、核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団(浅石紘爾代表)も1993年、国に事業指定取り消しを求める行政訴訟を青森地裁に起こし、口頭弁論が続いている。東京地裁に入る岩田雅一氏(前列右端)ら原告=9日、東京・霞ケ関