【貨物船沈没】行方不明の乗組員捜索続く 調査官、漁船の調査着手

船首の損傷部分を調査する国の運輸安全委員会の調査官=2日、八戸市沼館4丁目
船首の損傷部分を調査する国の運輸安全委員会の調査官=2日、八戸市沼館4丁目
2月29日に六ケ所沖で、ベリーズ船籍の貨物船「GUO XING 1(グオシンワン)」と、八戸市の富丸秋山漁業所有の沖合底引き網漁船「第8富丸」が衝突し、貨物船が沈没した事故で、第2管区海上保安本部(塩釜)は2日、行方不明になっている貨物船の.....
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 2月29日に六ケ所沖で、ベリーズ船籍の貨物船「GUO XING 1(グオシンワン)」と、八戸市の富丸秋山漁業所有の沖合底引き網漁船「第8富丸」が衝突し、貨物船が沈没した事故で、第2管区海上保安本部(塩釜)は2日、行方不明になっている貨物船の外国人乗組員13人の捜索を続けたが同日午後9時現在、発見に至っていない。一方、国の運輸安全委員会の調査官2人は八戸港で第8富丸の調査に着手し、同保安本部と連携しながら事故原因の特定を進めている。[br] この日は、同保安本部の巡視艇2隻と巡視船2隻、海上自衛隊機などを含む航空機3機のほか、第3管区海上保安部(横浜)の特殊救難隊6人と機動防除隊4人で捜索を実施。ただ、現場海域は雨で、波はうねりが続いており、捜索は難航している。[br] 調査官は同日午前8時すぎから約3時間、八戸港の第一工業港に係留されている漁船に乗船。船長から事情を聞いたほか、事故当時の船の経路や船首の損傷部分、計器類を調査した。[br] 河野守調査官は取材に「まだはっきりしたことは言えない。航跡データや、けがをしている漁労長、救助された貨物船の船員から話を聞いて、できるだけ早く報告したい」と話すにとどめた。[br] これまでに事故の状況などから、貨物船の右舷部と漁船の船首が衝突したとみられている。約2千トンの大型の貨物船が衝突からわずか20分足らずで沈没した経緯について、複数の漁業関係者は、漁船の船首だけでなく、水面下にある船首前方の突起(バルバス・バウ)が貨物船とぶつかった可能性を指摘する。[br] 突起は波の抵抗を低減させる効果があり、多くの船舶に採用されている。漁業関係者によると船首だけでなく、水面下の突起もぶつかれば浸水を引き起こす可能性もあるという。[br] 同漁船を所有する、富丸秋山漁業の秋山博樹専務は「船首の状態を見る限り、バルバス・バウにも衝撃時にできた亀裂が入っているかもしれない。ただ、岸に上げてみないと分からない」と話した。船首の損傷部分を調査する国の運輸安全委員会の調査官=2日、八戸市沼館4丁目