剣道道場「一刀塾」伊藤塾長、幸せかみしめ34年の指導に幕

3月いっぱいでの引退を決めた伊藤宗裕塾長=26日、一刀塾 
3月いっぱいでの引退を決めた伊藤宗裕塾長=26日、一刀塾 
八戸市石堂2丁目の剣道道場「一刀塾」塾長、伊藤宗裕さん(86)=教士七段=が今月、八戸での34年間にわたる指導者生活にピリオドを打つ。地域の競技力向上に情熱を燃やし、これまでに送り出した塾生は200人以上。間もなく米寿の大ベテランだが、4月.....
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 八戸市石堂2丁目の剣道道場「一刀塾」塾長、伊藤宗裕さん(86)=教士七段=が今月、八戸での34年間にわたる指導者生活にピリオドを打つ。地域の競技力向上に情熱を燃やし、これまでに送り出した塾生は200人以上。間もなく米寿の大ベテランだが、4月からは生まれ故郷の北海道に戻り、指導者として“現役”を続ける。伊藤さんは「これまでの塾生にはたくさんの幸せをもらった。今度は郷里の子どもたちに技術と経験を伝えたい」と決意を新たにしている。[br] 伊藤さんは海上自衛隊員として1957年、八戸基地に初めて赴任し、何度かの転勤を経て計10年を八戸基地で過ごした。徐々に「この町に恩返ししたい」と考えるようになり、86年の定年退職と同時に、自らの競技経験を生かそうと剣道塾を立ち上げた。[br] 1年目の塾生は6人。設立当初は子どもも少なく、思うような結果は出せなかったが「地域の人の応援が助けになった」。徐々に塾生は増え、道場は全国大会の常連へと成長した。[br] 設立当初から変わらない道場訓は「精神鍛錬、健康増進、礼始礼終」。現在は小学生12人、中学生13人の計25人が通っており、伊藤さんは「剣道を通じて、人前に出ても恥ずかしくない礼儀を指導してきた」と胸を張る。[br] 小学2年から通い、今春、青森市内の高校に進む秋元新之介さん(15)=市立下長中3年=は「一人一人をしっかり見てくれる、優しい先生だった。先生の教えを胸に、高校でも競技を頑張りたい」と意気込む。[br] 今春から中心的な指導者を引き継ぐのは、かつての教え子でもある同市の会社員小橋裕貴さん(25)。「塾長の思いを受け継ぎ、技術はもちろん、競技の楽しさを子どもたちに伝えていけたら」と抱負を語った。[br] 4月には八戸を離れ、夫婦で札幌市に引っ越す伊藤さん。「八戸は第二のふるさと。離れた地にいても、教え子の今後の活躍を期待している」と感慨深そうに話した。3月いっぱいでの引退を決めた伊藤宗裕塾長=26日、一刀塾