青森県教委は2020年度から、生徒の情報をデータベース化できる「統合型校務支援システム」を県立学校の校務に段階的に導入する。これまで別々に作成していた成績や出席などの情報をまとめて管理できる仕組みで、通知表や出欠管理の手間や作成時間を削減するのが狙い。教職員の事務効率化を進め、超過勤務時間を減らす「働き方改革」を促進したい考えだ。[br] 教職員は子どもと向き合う時間以外にも、成績処理や通知表の作成など事務の負担が大きい。14年度の調査によると、1カ月当たりの時間外勤務は高校で約79時間、特別支援学校で約52時間。18年度は2~3割の短縮が図られたが、目標に達していない。[br] 教職員課によると、県教委が「学校における働き方改革」で定めた、県立学校教職員の時間外勤務の上限は1カ月45時間以内、1年で360時間以内。同改革では20~22年度の3年間で時間外勤務を25%削減することを目指す。[br] 20年度当初予算案には統合型校務支援システムの導入などICT活用事業に4億円を計上した。例えば通知表を作る場合、これまでは出欠や成績などの情報を一つにまとめ、生徒の生活態度といった所見情報を手書きで記入する―などの作業が必要だ。システムを導入すれば、情報を一括管理しているため、出欠や成績が入力されていれば、所見情報の入力のみで作成できるようになる。[br] システム導入にはネットワークのセキュリティー強化が課題となる。学校施設課によると、20年度は全学校でセキュリティーを強化するが、システムを試行するのは10校程度。21年度は全校で試行し、22年度から本格的な運用を目指す。[br] このほか、特別支援学校の小学部、中学部など県立の義務教育課程で、児童や生徒1人1台のパソコン端末の整備を行う「県立学校情報教育推進事業」には19年度補正予算を含めて14億円を充てる。