在宅ケア発展へ台湾の学会と協定

在宅ケアの発展普及に向けて連携強化を目指す合意声明を発表した小倉和也院長(前列中央)と台湾在宅医療学会の関係者ら=1月12日、台湾(小倉院長提供)
在宅ケアの発展普及に向けて連携強化を目指す合意声明を発表した小倉和也院長(前列中央)と台湾在宅医療学会の関係者ら=1月12日、台湾(小倉院長提供)
八戸市の「はちのへファミリークリニック」の小倉和也院長が会長を務める「NPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク」(千葉県)は、在宅医療や在宅介護の普及発展に向けて、日本と同様に少子高齢化の問題に直面する台湾の在宅医療学会と協力連携.....
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 八戸市の「はちのへファミリークリニック」の小倉和也院長が会長を務める「NPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク」(千葉県)は、在宅医療や在宅介護の普及発展に向けて、日本と同様に少子高齢化の問題に直面する台湾の在宅医療学会と協力連携を強化する。1月12日、台湾で行われた在宅ケアに関するシンポジウムの席上、小倉院長と同学会の余尚儒(ユ・サンジュ)理事長が協定書に署名し、連名で協力合意声明を発表。今後、情報交換や研究、交流を深め、相互の在宅ケアの質の向上を目指す。[br] 少子高齢化はアジア諸国でも深刻な問題。世界的にも類を見ない速さで超高齢社会を突き進む日本がどのようにこの問題を解決するかに世界中が注目している。[br] 特に台湾はアジアの中で日本に次いで高齢化率が高く、対策が喫緊の課題となっており、小倉院長と余理事長は以前から相互の地域を現地視察するなどして、在宅医療に関する情報を交換してきた。合意声明ではさらなる協力関係を築くことが目的とし、在宅医療や介護の普及に向けて共同で調査研究を進めていくことを確認した。[br] 調印式に続いて、今年9月に同ネットワークが長崎県で開催するシンポジウムのプレイベントとして、「ちゃんと決めよう自分の最期」をテーマに、台湾の医師や小倉院長らが、人生の最期の時に望む医療やケアについて元気なうちから家族や親しい人と話し合う「アドバンス・ケア・プランニング」(ACP、通称『人生会議』)に関する講演を行った。[br] この中で、小倉院長はACPの実践例として、人生を一本の木に見立てて自分の人生を振り返り、自分らしさを見つめ直す体験型ケア方法「人生の木」を介護の場に取り入れている八戸市内の介護施設の活用事例を紹介。命と人生について語り合う機会を設けることの大切さを訴えた。[br] 帰国後の取材に、小倉院長は「台湾の医師らと共に考え、学ぶことで、少子高齢化という共通課題に取り組み、よりよい地域社会を次世代に残していきたい」と決意をにじませた。在宅ケアの発展普及に向けて連携強化を目指す合意声明を発表した小倉和也院長(前列中央)と台湾在宅医療学会の関係者ら=1月12日、台湾(小倉院長提供)