「エネルギーはトイレから」三浦君(吹上小)が子どもアイディアコン最優秀賞

伊藤博章教育長(手前)にアイデアの内容を披露する三浦士君(中央)=1月22日、八戸市教委 
伊藤博章教育長(手前)にアイデアの内容を披露する三浦士君(中央)=1月22日、八戸市教委 
全国の小学生を対象に、「未来にあったらいいな」と思うアイデアを作品にしてもらう「Honda第17回子どもアイディアコンテスト」(ホンダ主催)で、八戸市立吹上小5年の三浦士(あきら)君(11)が高学年部門の最優秀賞に輝いた。バイオマス発電と水.....
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 全国の小学生を対象に、「未来にあったらいいな」と思うアイデアを作品にしてもらう「Honda第17回子どもアイディアコンテスト」(ホンダ主催)で、八戸市立吹上小5年の三浦士(あきら)君(11)が高学年部門の最優秀賞に輝いた。バイオマス発電と水素発電を一体化させる画期的アイデアで、審査員は「科学的にもしっかり考えられている上、誰も思い付かない発想で素晴らしい」と絶賛。三浦君は「2年生の時から温めていたアイデアをみんなに聞いてもらえて本当にうれしかった」と喜んでいる。[br] 同コンテストは次世代育成プログラムとして、2002年から毎年開催。今回は全国から8155点の応募があり、1次のイラスト審査は低学年部門(3年生以下)と高学年部門で各14点が通過。最終審査は立体作品とプレゼンテーションで1月11日に東京都内で行われた。審査員長は脳科学者の茂木健一郎さん。[br] 三浦君のアイデアのタイトルは「エネルギーはトイレから」。自動車内に特殊装置を設け、微生物を混ぜた排せつ物などの汚泥を燃焼させて電気を取り出し、動力とすると同時に、燃焼の際に発生するメタンガスについて、ニッケル触媒などを通して水素だけを取り出し、燃料電池に蓄える。この発生電力は災害時の活用も可能だ。[br] 作品は、材料集めや衣装の準備で会社員の父幸広さん(47)、母恵さんの協力を仰いだものの、大半を自力で仕上げた。最終審査会では、ホンダの作業服を模した衣装で登場。制限時間2分間で、からくりをたくさん仕掛けた作品を使って堂々と発表した。[br] 三浦君は八戸市で生まれ、幸広さんの転勤で、弘前市で育った。アイデアの着想を得たのは同市立堀越小2年の時。学校の図書室で見た水素車に関する本にくぎ付けになり、「液体が電気に変わることに衝撃を受けた。水素ってすごいんだなと思ったら、元素記号(H)まで好きになった」。[br] その後も関連書籍を読み、再生可能エネルギーについての知識をぐんぐん吸収。4年生秋には幸広さんの転勤で再び八戸市へ引っ越し、同市立吹上小に転校。弘前市の発明クラブから八戸市の発明クラブにも編入し、本年度初めてコンテストに応募した。[br] 三浦君は1月22日、同市教委の伊藤博章教育長に受賞を報告。三浦君の説明を聞いた伊藤教育長は「難しい知識がしっかりと身に付いているのが分かる。小中学校だけではなく、もっと高いレベルで学ばせてあげられないか」と感心することしきりだった。[br] 三浦君の将来の夢は「アップル社(米国)のエンジニアになること」。現在は同社のパソコンで「やりたいプログラミングがある」と、風呂掃除など家の手伝いをして購入費を貯めている最中だ。[br] 三浦君は「今回のアイデアでは車だったけれど、パソコン自体で発電できたら環境にも優しい。コードに足が引っ掛かることもなくなるかも」と便利な未来を思い描いていた。伊藤博章教育長(手前)にアイデアの内容を披露する三浦士君(中央)=1月22日、八戸市教委