【センバツ】“八戸旋風”に甲子園沸く

▽2回戦 日向学院 000 000 000―0  (宮崎) 工 大 一 201 001 00×―4 (日)江上、岩佐―上池、椎葉 (八)河村―大森 ▽三塁打 外山▽二塁打 上池、板橋、河村 ▽併殺 日1八0▽残塁 日7八4▽捕逸 上池▽暴投.....
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▽2回戦 日向学院 000 000 000―0  (宮崎) 工 大 一 201 001 00×―4 (日)江上、岩佐―上池、椎葉 (八)河村―大森 ▽三塁打 外山▽二塁打 上池、板橋、河村 ▽併殺 日1八0▽残塁 日7八4▽捕逸 上池▽暴投 江上 【評】鮮やかな“足攻”で先制した工大一は、中押し、ダメ押しの理想的な展開。守ってはエース河村が散発5安打に抑え2試合連続完封、強打の日向学園に完勝した。  初回の“先制パンチ”が利いた。工大一は一死後、中前打の板橋がすかさず二盗。この好機に思い切ったランエンドヒット。赤川の左前打で板橋がかえり、あっさりと先取点をもぎ取った。その赤川も好スタートを切り二盗、揺さぶりをかけた。二死後、五番・河村が中前へはじき返し1点追加。この息をつかせぬ速攻で優位に立った。  さらに三回、左前打の遠藤が初球すかさず二盗、さらにパスボールで三進しチャンスを広げた。一死後、赤川の当たりは、前進守備の二ゴロとなったが、遠藤が果敢に突っ込みタッチをかわし、またも足を生かした攻めで加点した。  「自分たちの野球」で押せ押せのムードとなった六回は、河村が右中間を破る二塁打。ここで続く川畑の鋭い遊ゴロがエラーを誘い、二塁から河村が 長駆ホームイン。浮き足立った相手のミスを逃さず、決定的な1点を奪った。  打線の素早い援護に、エース河村は1回戦を上回る内容の好投。ストレートを武器に、カーブ、スライダーをコーナーいっぱいに丹念に投げ分け、終始走者を出しながらも持ち前の粘り強いピッチング。特に、六、七、八回と先頭打者を出して、苦しい終盤を迎えたが、全く危なげのない配球で、1回戦12安打と打ちまくった日向打線を封じた。 ◎「こんなに走るチームとは・・・」迫力満点の足技 機動力野球で突破口  「走れるチームは数多いが、こんなに走るチームとは…」―。迫力満点の足は、甲子園に詰め掛けた観衆を驚かせた。この日の勝利は、北国のハンディを全く感じさせない戦いぶり。ベスト8にふさわしい力強い攻めだった。  「二盗、三盗とどんどん走らせる」。山下繁昌監督は、試合前に自信ありげに話していたが、初回“いきなり”仕掛けた足攻は、迫力満点で効果的だった。中前打の板橋が初球から思い切りの良い走塁で楽々とセーフ。そして「カーブのサイン」と見た板橋はノーサインで三塁へ。これが“誘い水”となり赤川の先制打を呼び込んだ。  「江上投手はけん制の時に下を向くくせがある。とにかくカーブのサインが出たら思い切り走れ」の指示通り二盗、そして三塁を狙った板橋の俊足、冷静な走塁がまず目を引いた。なおも赤川が2点目へつなげる二盗、いつもにも増した豪快な積極野球で突破口を開いた。強打を誇る日向打線の出鼻をくじくに十分な機動力。圧巻でもあった。  その後も、遠藤が初球に盗塁を決めるなど、合わせて5個の盗塁。全てを得点に絡ませ、快進撃の原動力とした。「ゆっくりを守って、徹底的に攻めるのがうちの野球。その野球ができました。百点満点です」。山下監督は、機動力を生かした思い通りの展開にしてやったりの表情。「次の関東一戦でも足攻で」と闘志を燃やす。  神戸地方は連日の寒さで、桜は五分咲き程度だが、工大一の機動力野球は一気に“満開”。いよいよ勢いを増した。 [right]1987年センバツ・2回戦 工大一 VS 日向学院 [/right]