【八戸市長、4期目任期半年】「魚市場事業、長期的視点で」 新型コロナは「緊張感持ち対応」

新型コロナウイルスのワクチン接種や経済対策に注力する考えを示す小林眞市長=11日、八戸市庁
4期目の任期が残り半年に迫った八戸市の小林眞市長は16日までに、本紙のインタビューに対し、市政運営に関する自己評価や今後のまちづくりの方針を説明した。新型コロナウイルス対策を優先事項に位置付け、ワクチン接種や経済対策に注力する考えを示した。.....
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 4期目の任期が残り半年に迫った八戸市の小林眞市長は16日までに、本紙のインタビューに対し、市政運営に関する自己評価や今後のまちづくりの方針を説明した。新型コロナウイルス対策を優先事項に位置付け、ワクチン接種や経済対策に注力する考えを示した。(聞き手・松原一茂)[br][br] ―4期目の市政運営に対する自己評価は。[br] 4期目の政策公約の達成状況について、市政評価委員会が調査を進めている。市民アンケートの結果も踏まえ、見識ある方々に客観的に判断してもらいたい。4期目の3年経過時点では、公約に掲げた30の重点施策はおおむね進んでいる。総合的に見て、八戸のまちのパフォーマンスは、青森県内の中でも頑張っていると評価されているだろう。[br][br] ―市の水産行政に関する認識は。[br] 八戸港の荷さばき施設の高度衛生化が、A棟からD棟の整備で一通り完結した。水産物は国際的に高度衛生管理した流通が求められており、トレーサビリティー(生産流通履歴)がしっかりしていなければ商品価値が成り立たないようになっている。[br][br] 魚市場の事業は費用対効果だけでは測れないものがある。東日本大震災の影響のほか、漁模様が芳しくない時期に整備が重なったのは残念だが、長期的な視点で見ていくことが必要だ。[br][br] 荷さばき施設A棟の稼働向上を目指し、販売やPRにも力を入れたい。大手ストアと連携しながら販路拡大を進めていく。A棟のように衛生管理基準のEU―HACCP(ハサップ)の認定を受けた魚市場は宮城県塩釜市などにも広がっており、ハサップが標準的になれば、A棟の利用や価値の向上につながるだろう。[br][br] ―中心街の大型公共施設整備と維持管理費の関わりをどう考える。[br] 維持管理費は建設段階から織り込んでいたものの、市議会からも指摘があるように、当初見込みより増えた施設がある。ただ、施設整備に関する財政は全体的に見ていくことが重要だ。[br][br] 例えば、屋内スケート場は県との協議により、建設費は国と県が全額を出す形になった。毎年の運営費は掛かるが、スケート場をトータルで捉えた場合の市の財政負担はかなり少ない。中心街の他施設も市中心市街地活性化基本計画の事業に位置付けることで、有利な財源措置を受けている。[br][br] ―子育て支援の方向性は。[br] 子育て支援策は「八戸版ネウボラ」として進めている。八戸は県内10市の中でも人口減少率が低い。県内40市町村で人口がプラスとなっているのは六戸町とおいらせ町だが、それには八戸の産業力が貢献していると思う。子育て分野の成果は総合的に見ることが重要で、子どもが希望を持って学校へ通う環境づくりを継続することが基本になる。[br][br] ―新型コロナ対応はどのように進めていくか。[br] 八戸は県内で初の感染者が出たこともあり、緊張感を持って対応してきた。高齢者施設のワクチン接種は必ずしも順調ではないが、ワクチンが届き次第、加速していくと思う。一般高齢者向けのワクチン接種は、とにかく混乱のないよう、情報をしっかりと伝えることに主眼を置いている。[br][br] コロナ禍で観光産業やホテル、飲食、タクシーなどの事業者が打撃を受けている。影響が大きい特定業種への支援を重視し、場合によっては国や県にさらなる支援策について応援を求めることもあるだろう。