【八戸市長選まで半年】態度保留続ける現職、戦いの構図なお流動的

2017年の八戸市長選を前に、自民党市支部の定期大会に出席した小林眞氏(右から2人目)。今年は改選期だが、4期目の任期満了が半年後に迫る中でも自身の去就を明らかにしていない=17年5月、八戸市
2017年の八戸市長選を前に、自民党市支部の定期大会に出席した小林眞氏(右から2人目)。今年は改選期だが、4期目の任期満了が半年後に迫る中でも自身の去就を明らかにしていない=17年5月、八戸市
今年11月16日に任期満了を迎える八戸市長選に現職の小林眞氏(70)が去就を表明しないまま、4期目の任期が残り半年に迫った。小林氏は12日までの本紙取材に「現時点で白紙」と強調。態度を明確にできない背景には、新型コロナウイルス対策を優先すべ.....
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 今年11月16日に任期満了を迎える八戸市長選に現職の小林眞氏(70)が去就を表明しないまま、4期目の任期が残り半年に迫った。小林氏は12日までの本紙取材に「現時点で白紙」と強調。態度を明確にできない背景には、新型コロナウイルス対策を優先すべき状況に加え、自身を支援する自民党内や地元経済界に多選への慎重な声があることも影響しているようだ。自民内には出馬が取り沙汰される人物もおり、水面下で探り合いが続く。現職の動向が不透明な市長選は戦いの構図がなお流動的だ。[br][br] 2005年10月の市長選で初当選した小林氏は2期目の出馬以降、任期満了に当たる年の市議会3月定例会の一般質問で、全面的な支援を受ける自民系の最大会派「自民・市民クラブ」の代表質問に答える形で出馬を表明してきた。[br][br] しかし、5選出馬を明言するかが焦点となった今年3月の定例会では、自民・市民クが選挙に関する質問を取り上げず、小林氏の態度表明の場は設けられなかった。新型コロナ対応や経済再生対策が市政の最優先課題である現状を名目に、双方が選挙関連の議論を避けた格好だ。[br][br] 小林氏は取材に「コロナを乗り切る対策や事業者支援などの施策に日々取り組んでいる。今はまだ判断できる状況にない」とし、自身の去就を明言していない。[br][br] だが、小林氏の行政手腕を評価する自民関係者は「本人は5期目を目指しているはずだ。これから徐々に動き始めるのではないか」とみる。小林氏は最近、これまで顔を出していなかった会合出席にも意欲的で、5選出馬への布石とみる向きもある。[br][br] 態度を保留する小林氏への支援の方向性に関し、自民・市民クの坂本美洋会長は「あくまで本人の意向を受けてからで、会派として議員総会で正式に諮ったことはない」とした上で、「これまでの市政運営を評価しているのは会派内で一致している」との認識を示す。[br][br] 一方、八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟の稼働低迷に加え、近年は政策に目新しさを欠くなど小林市政に疑義を呈する声も党内に潜在している。[br][br] 仮に小林氏が出馬を決断した場合、秋山皐二郎氏以来、市政史上2人目の5期目の市長を目指すことになるため、多選批判やマンネリ化を警戒する見方も少なくない。[br][br] 自民党内や地元経済界には“新しい風”を求め、新人待望論がある。実際に党内で出馬が取り沙汰されている人物はいるものの、選挙戦が半年内に迫る中でも沈黙を貫いている。自民を支援する経済関係者は「期待感はあるが、まずは本人が動かなければ何も始まらないだろう」と指摘する。[br][br] 一方、国政で自民と対峙する立憲民主党は独自候補の擁立を視野に入れるが、依然として対応は固まっていない。党県連共同代表の田名部匡代参院議員は「市政に対する評価を整理し、市議と相談して判断したい」と述べるにとどめる。[br][br] 立民の前身となる旧民主党、旧民進党は13年と17年の市長選で候補擁立を2回連続で見送った。市長選と同様、今秋までに行われる衆院選・青森2区の候補者も決まっておらず、人選を急いでいる。県連幹部は「衆院選と市長選が同日になった前回のように、二つの選挙が連動すれば衆院選も不利になる」と懸念する。[br][br] 前回の市長選で対抗馬を立てた共産党は小林氏の動向を踏まえ、選挙対応を本格的に検討する意向だ。[br][br] 市長選には現時点で、同市の歯科医院長の清水文雄氏(73)が立候補を表明している。2017年の八戸市長選を前に、自民党市支部の定期大会に出席した小林眞氏(右から2人目)。今年は改選期だが、4期目の任期満了が半年後に迫る中でも自身の去就を明らかにしていない=17年5月、八戸市