【北奥羽産業たてもの探訪】おおのミルク工房(洋野)

「ゆめ牛乳」を製造するおおのミルク工房=4月下旬、洋野町
「ゆめ牛乳」を製造するおおのミルク工房=4月下旬、洋野町
洋野町大野の総合レクリエーション施設「おおのキャンパス」に入ると、赤い三角屋根のサイロが見えてくる。久慈地域や周辺市町村で親しまれる「おおのミルク村 ゆめ牛乳」を製造する「おおのミルク工房」だ。ゆめ牛乳は、ふんわりとした甘味と生乳本来の味が.....
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 洋野町大野の総合レクリエーション施設「おおのキャンパス」に入ると、赤い三角屋根のサイロが見えてくる。久慈地域や周辺市町村で親しまれる「おおのミルク村 ゆめ牛乳」を製造する「おおのミルク工房」だ。ゆめ牛乳は、ふんわりとした甘味と生乳本来の味が感じられ、町内外にファンが多い。[br][br] 2004年、同キャンパス内で農協が主体になって乳製品を製造していた加工場が休止された。生産コストなどの面で厳しい運営が見込まれたためだ。そこで立ち上がったのが地元の酪農家たち。生産・販売の現場がなくなることを危惧し、それぞれが出資して05年1月に「おおのミルク工房」を設立(14年に株式会社化)し、地元産の生乳を100%使った牛乳の生産に乗り出した。[br][br] 約510平方メートルの工場には、搾乳した乳を保存する受け入れタンクをはじめ、脂肪分を細かく滑らかにする均質機や殺菌用タンク、牛乳をパックに詰める充塡じゅうてん機などを備える。365日稼働し、1日の製造能力は1リットル換算で2千~3千本、200ミリリットル換算では6千~1万本を数える。[br][br] 生産量では、かなわない大手メーカーとの差別化を図るため、殺菌方法に工夫を凝らす。メーカーの多くは120~130度で2~4秒加熱するのに対し、ゆめ牛乳は85度で20分かけてじっくり熱を加える「保持式殺菌」を採用。酪農家が家で楽しむ生乳本来の味を再現している。[br][br] 工場では、ヨーグルトやプリン、アイスクリームの受託製造も手掛ける。東北地方の観光施設やサービスエリアとも連携し、ご当地食材と組み合わせたソフトクリームの開発にも取り組む。浅水巧美専務は「これからも酪農家の思いを乗せたおいしい製品を送り出したい」と力を込める。「ゆめ牛乳」を製造するおおのミルク工房=4月下旬、洋野町