【アニメ・バクテン!!】リアルさ追求した演技シーン/監修の荒川さん(八戸出身)に聞く

「バクテン!!」の中で憧れる選手は主人公の同級生美里良夜という荒川栄さん。「美里のような緻密さは自分にはなかったから」=4月、青森市
「バクテン!!」の中で憧れる選手は主人公の同級生美里良夜という荒川栄さん。「美里のような緻密さは自分にはなかったから」=4月、青森市
4月からフジテレビ系で放送中の、男子新体操をテーマにしたアニメ「バクテン!!」。新体操シーンには、青森山田高男子新体操部のほか、同部と青森大出身者で構成するパフォーマンス集団「BLUE TOKYO」の演技が取り入れられた。新体操監修としてア.....
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 4月からフジテレビ系で放送中の、男子新体操をテーマにしたアニメ「バクテン!!」。新体操シーンには、青森山田高男子新体操部のほか、同部と青森大出身者で構成するパフォーマンス集団「BLUE TOKYO」の演技が取り入れられた。新体操監修としてアニメに関わった同部元監督の荒川栄さん(48)=八戸市出身=は「男子新体操を知らない人にも魅力が伝わるアニメになっている」と作品をアピールする。[br][br] 荒川さんが監修依頼を受けたのは4年前。世界でも人気のコンテンツであるアニメを通じ、日本発祥の男子新体操を世界に発信できる―と、部で引き受けた。[br][br] 部活動の様子から大会名や技の名前まで全般に関わった。演技シーンは、複数のカメラやセンサーで人の動作を分析するモーションキャプチャを使用。主人公が通う私立蒼秀館高校は、「BLUE TOKYO」が下部組織「BLUE TOKYO KIDS」の演技をコピーしたものを東京で撮影し、国士舘大の演技と組み合わせた。ライバルである青森県の私立白鳴大附属高校は、青森山田高の演技を青森産業会館で撮影した。[br][br] モーションキャプチャによって、普通なら一点からしか見られない演技を、アニメではさまざまな角度から楽しめる。「新体操関係者でも“目が回る”人もいた」(荒川さん)ほど、細やかに描かれている。[br][br] 舞台は宮城県岩沼市だが、青森山田高の寮や青森大をモデルにした建物が登場したり、キャラクターの中学時代のユニホームが同部が実際に着用した物だったり、有名なお菓子が登場したりと、至る所に青森要素も詰まっている。[br][br] 青森県では、残念ながら岩手めんこいテレビなどのフジテレビ系が見られない地域も多く、荒川さんも放送翌日に動画配信サービスで視聴。アニメ放送当日は会員制交流サイト(SNS)の感想を追い掛ける。[br][br] 自身が現役の頃は新体操=女子のイメージが強く、「新体操をやっている」と言うと驚かれることがほとんど。それが今やアニメの題材となり、「非常に大きな出来事で感慨深い。SNSの感想も、大体が肯定的で毎週感動をもらっている」と笑顔を見せる。[br][br] アニメの見どころについて、「演技シーンはもちろん、大会に向けた登場人物のドラマを見てほしい」と荒川さん。選手がどんな努力をしているのかなど、取材に基づくリアリティーある演出にも注目だという。[br][br] もちろん、アニメ独自の演出もある。第1話、アオ高の大会演技シーンでは、会場照明が落ち、選手にスポットライトが当たる。実際の大会と異なる演出だが、NGは出さなかった。「アニメのように、全国大会など大きな舞台が、もっと魅力あるものになってほしい」という思いからだ。[br][br] 県内でも男子新体操に取り組める環境は多くはなく、今はコロナ禍で大会が中止や無観客となり、見る機会も失われている。荒川さんは「男子新体操を見たいと思ったら見れる機会、やりたいと思ったらやれる場所を作らなければ。アニメ後も盛り上がりを次につなげたい」と、男子新体操の未来への思いを語った。「バクテン!!」の中で憧れる選手は主人公の同級生美里良夜という荒川栄さん。「美里のような緻密さは自分にはなかったから」=4月、青森市