全国地方銀行協会と第二地方銀行協会に加盟する99行のうち、約半数に当たる49行が振込手数料を引き下げる方向であることが8日、共同通信の調査で分かった。政府の引き下げ要請を踏まえ、40年以上変わらなかった銀行間の送金料が見直される10月を念頭に実施する。残る銀行の多くも値下げを含め「検討中」との姿勢を示しており、幅広い地域の利用者に恩恵が広がりそうだ。[br][br] 下げ幅を100円超としたり、コストのかかる銀行窓口での利用を減らすためインターネット取引をより優遇したりする銀行もあり、手数料見直しを経営戦略に活用する動きも鮮明になった。[br][br] 振込手数料は、銀行同士でやりとりする送金料に利益などを上乗せして各行が決めている。銀行の送金料は、現在は利用者の振込額が3万円未満なら117円、3万円以上なら162円かかるが、10月1日から半額程度の62円に一本化される。[br][br] 振込手数料の下げ幅については「振込額が3万円未満で55円超、3万円以上で100円超」(関東の地銀)との回答がある一方、大半は「未定」と答えた。収益への影響や、競合他社の動向を見極めるといった理由が目立った。 手数料見直しについて「未定」と答えたのは50行。明確に引き下げを否定した銀行はなかった。[br][br] 窓口、現金自動預払機(ATM)、ネットといった取引の手段により下げ幅に差を設けるかどうか聞いたところ「人的な事務コストがかからないATMを安くする」(九州の地銀)「ネット取引の下げ幅を広げる」(中部の地銀)などの意見があった。窓口からATMやネットに利用者を誘導する狙いがうかがえる。[br][br] 銀行間の送金料の一本化に合わせ、金額に応じ2種類ある振込手数料も「一本化する」(関東の地銀)との声があった。[br][br] 振込手数料は、窓口やATMといった取引形態や振込先などにより金額に幅がある。地銀大手の横浜銀行の場合、キャッシュカードでATMから他行に振り込むと3万円未満で330円、3万円以上で550円かかる。