政府が新型コロナウイルス緊急事態宣言を発令して2日で1週間が経過した。対象地域の4都府県のうち東京で新規感染者数が拡大。京都、大阪、兵庫は高止まり傾向で、医療提供体制は深刻な状況だ。11日の期限を延長するかどうか週後半にも判断するとみられるが、政府内で延長は不可避との見方も出ている。[br][br] 菅義偉首相は1日、衆院第2議員会館の事務所で内閣官房の吉田学新型コロナウイルス感染症対策推進室長らと会い、感染状況などの報告を受けた。大型連休中も連日、状況の把握に努める。[br][br] 厚生労働省が4月30日に発表した感染状況を示す最新指標では、関西の厳しさが目立つ。[br][br] 直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数は京都37・2人、大阪89・6人、兵庫66・3人で、いずれも政府の対策分科会が示すステージ4(爆発的感染拡大)の目安の25人を超える。病床使用率や入院率、療養者数といった医療体制の逼迫(ひっぱく)度を示す指標もほとんどがステージ4だ。[br][br] 東京も1日に報告された新規感染者数が千人を超えるなど拡大傾向が続く。最近増加が目立つ福岡県は、10万人当たり感染者数が前週比約1・7倍の37・9人で1日、宣言に準じた「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請した。[br][br] 政府は4月23日、3度目の宣言を4都府県に発令することを決定。期間は25日から5月11日までで、酒類を提供する飲食店への休業要請や大規模イベントの原則無観客などの強い措置を取った。[br][br] だが目立った効果が見られないまま1週間がたち、政府内では「宣言延長はやむを得ない」との声が出る一方で「延長すれば事業者が大きな打撃を受ける」と懸念する意見がある。まん延防止措置への移行論もある。[br][br] 首相は4月30日、記者団に延長の可能性を問われ「(休業要請などの)効果が出るよう取り組みたい」と述べるだけだった。変異株の感染状況なども踏まえ連休明けにも判断するもようだ。昨年4月の初発令、今年1月の再発令の際は、ともに対象地域の拡大と期限の延長を余儀なくされた。[br][br] 宣言と同様、今月11日が期限となっている、宮城や愛知など7県が対象のまん延防止措置の扱いについても検討する。