【次期衆院選】野党が候補者一本化に着手 共産と連携巡り難航予想

 野党共闘を巡る立憲民主、共産両党の立場
 野党共闘を巡る立憲民主、共産両党の立場
野党が、次期衆院選の候補者一本化に着手した。立憲民主党の枝野幸男代表は27日、共産、国民民主両党とそれぞれ党首会談に臨み、協力を要請。野党統一候補が全勝を収めた25日の衆参3選挙を成功モデルとする。ただ立民と国民では、共産党との距離感に開き.....
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 野党が、次期衆院選の候補者一本化に着手した。立憲民主党の枝野幸男代表は27日、共産、国民民主両党とそれぞれ党首会談に臨み、協力を要請。野党統一候補が全勝を収めた25日の衆参3選挙を成功モデルとする。ただ立民と国民では、共産党との距離感に開きがある。共産党は立民などの譲歩も要求しており、調整は難航が予想される。[br][br] ▽一対一[br] 「3選挙で成果を出せた。一本化に向けた話し合いを始めたい」。枝野氏は国会内の一室で共産党の志位和夫委員長に向き合うと、次期衆院選の共闘を申し入れた。[br][br] 3選挙の中で特に念頭に置いたのが参院広島再選挙だ。広島は元来保守地盤。野党候補は37万票余りを獲得し、自民党候補を約3万4千票差でかわした。2019年参院選で独自候補が7万票を取った共産党の支援が奏功したのは明白だった。[br][br] 共闘戦略に自信を深めた枝野氏は、党内外で「多くの小選挙区で与党と一対一の構図をつくる」と強調する。共産党も「力を合わせれば勝利できる選挙区は一本化を進める」(小池晃書記局長)と前向きだ。[br][br] ▽拒否感[br] 3選挙の成功体験の陰で、共闘の課題も改めて浮き彫りになった。[br][br] 参院長野補欠選挙では、共産党県組織が立民候補と結んだ政策協定に日米同盟見直しや原発ゼロが書き込まれた。共産党は綱領に自衛隊解消や日米安全保障条約廃棄を掲げている。[br][br] この協定に国民民主や連合内の民間産業別労働組合が「共産寄りだ」と反発し、告示直前までもつれた。連合には共産系労組と路線をたがえてきた歴史的経緯があり、拒否感が根強い。[br][br] 選挙中、保守票を取り込むための「共産外し」も散見された。枝野氏は3選挙の応援演説で、共産党議員と並ぶのを避けた。衆院北海道2区補選で立民は、同党元職の推薦政党の輪に共産党が入るのを認めなかった。ぎりぎりで共産党が「不協和音は避けたい」と実質支援の形で妥協した。[br][br] ▽仏の顔[br] 立民は衆院選の小選挙区に200人超の候補を擁立する方針だ。「接戦区の大半は共産党が候補を降ろさないと勝てない」(ベテラン)と協力に期待する。枝野氏は志位氏との会談で「互いの立場を尊重したい」と気遣いする姿勢を見せた。[br][br] しかし共産党には不満が募る。一部選挙区では同党候補を降ろすつもりはない。党幹部は協議の行方を予告した。「一方的に候補を取り下げろ、票は出せと求められるのは不平等。仏の顔も三度までだ」 野党共闘を巡る立憲民主、共産両党の立場