発見から13年、ついに新種認定 久慈で化石発見の「アドクス・コハク」

新種「アドクス・コハク」について説明する平山廉教授(右)。写真中央は復元画=23日、盛岡市内
新種「アドクス・コハク」について説明する平山廉教授(右)。写真中央は復元画=23日、盛岡市内
久慈琥珀(こはく)博物館の琥珀採掘体験場から2008年に見つかった約9千万年前のカメ類「アドクス」の化石について、早稲田大の平山廉教授は23日、新種「アドクス・コハク」として国際誌に掲載されたと発表した。発見から13年を経て、アドクスの新種.....
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 久慈琥珀(こはく)博物館の琥珀採掘体験場から2008年に見つかった約9千万年前のカメ類「アドクス」の化石について、早稲田大の平山廉教授は23日、新種「アドクス・コハク」として国際誌に掲載されたと発表した。発見から13年を経て、アドクスの新種と認められた。「コハク」は国内最大の産地として知られる久慈の琥珀にちなんだ命名で、生物の種名に使われるのは初めて。新種のカメ類の報告は東北地方初となる。[br][br] アドクスは、現在のスッポンの仲間に近い、既に絶滅したカメ類。甲羅の縁に「縁鱗(えんりん)」と呼ばれるうろこが広がり、その面積が他のカメ類の数倍にも達することが特徴。これまでに、アジアや北米で10種類ほどの化石が見つかっている。[br][br] これらに対し、アドクス・コハクは縁鱗の広がりがさらに顕著で、甲羅の半分以上を覆うほど発達。加えて、首元のうろこがないという他種と異なる特徴を持つ。甲羅の大きさも、アジアのアドクスとしては最大という。[br][br] 新種の根拠となる化石「模式標本」は08年4月、当時の同館長だった佐々木和久さんが発見。琥珀採掘体験場の中生代白亜紀後期の地層から、甲羅の形をほぼ保った状態で見つかった。[br][br] 佐々木さんから連絡を受けた平山教授は、260点の追加資料も含めて分析を進め、新種として論文にまとめた。論文が今年2月に国際誌に掲載されたことを受け23日、盛岡市内で新田久男館長や遠藤譲一久慈市長とともに記者会見を開いた。[br][br] アドクス・コハク発見の意義について、平山教授は「東アジアが現在につながるカメ類の進化にとって重要な地域であったことや、当時の東北地方の気候が現在の東南アジアのような熱帯だっとことを示すと考えられる」と説明。[br][br] 学名に関しては「久慈の琥珀を世界に知ってもらうため、あえて日本語の『コハク』にした」と話した。[br][br] アドクス・コハクの化石は24日から8月29日まで、同館で特別公開される。新種「アドクス・コハク」について説明する平山廉教授(右)。写真中央は復元画=23日、盛岡市内