運転40年超の原発再稼働、同意へ 福井県議会が意見書可決

 福井県知事の発言の変遷
 福井県知事の発言の変遷
福井県議会は23日の臨時議会で、運転開始から40年を超えた関西電力の美浜原発3号機(同県美浜町)と高浜原発1、2号機(同県高浜町)の再稼働を前提に、原子力政策の明確化などを国に求める意見書を賛成多数で可決した。議会として容認した形。両町は既.....
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 福井県議会は23日の臨時議会で、運転開始から40年を超えた関西電力の美浜原発3号機(同県美浜町)と高浜原発1、2号機(同県高浜町)の再稼働を前提に、原子力政策の明確化などを国に求める意見書を賛成多数で可決した。議会として容認した形。両町は既に同意しており、杉本達治知事は閉会後、報道陣に「確認すべき内容は煮詰まってきた」と発言。同意の方向で月内にも最終判断する見通しだ。[br][br] 再稼働すれば、東京電力福島第1原発事故後にできた「原則40年、最長で延長20年」のルール下で初となる。ただ長期運転の安全性への懸念は根強く、知事には丁寧な説明が求められそうだ。[br][br] 知事は「そんなに時間をかける状況ではない」と説明。24日に3基の安全対策を視察するほか、近く梶山弘志経済産業相や関電の森本孝社長と面談し、原子力政策や再稼働への姿勢を確認する。[br][br] 意見書では、新たな「エネルギー基本計画」で原子力政策の方向性を明確にすることや、原発に対する国民理解の促進に向けて国が前面に立ち、その成果を示すことなどを求めた。[br][br] 国は、40年超原発1カ所当たり最大25億円の交付金や、立地地域の振興策を議論する会議の創設を県に約束。議席の7割を占める最大会派県会自民党は、21日の全員協議会で知事が同意すれば再稼働を容認する意向を表明していた。[br][br] 23日の臨時議会で第2会派の民主・みらいは、判断材料が不十分だとして議論を継続する決議案を出したが、否決された。他に市民団体などが提出した、再稼働に反対や慎重な姿勢の請願59件も不採択となった。[br][br] 高浜1号機と美浜3号機では昨年9月に再稼働に向けた安全対策工事が完了。高浜2号機は工事が終わっておらず、完了するまでは再稼働できない。[br][br] また3基では、設置が義務付けられたテロ対策の「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の完成が遅れており、仮に再稼働しても高浜1、2号機は今年6月上旬、美浜3号機は10月下旬に設置期限を迎え、停止する。 福井県知事の発言の変遷