クラスター相次ぐ青森市 飲食店は閑散 客ゼロ「珍しくない」

飲食店クラスターが相次ぐ青森市。歓迎会シーズンだが、同市本町の飲食店街は閑散としている=15日午後8時ごろ
飲食店クラスターが相次ぐ青森市。歓迎会シーズンだが、同市本町の飲食店街は閑散としている=15日午後8時ごろ
3月末から新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)拡大が続く青森市。夜遅くまで営業し、酒類を提供する飲食店での発生も多い。市民の警戒感も高まってか、繁華街の人出はまばら。道行く人の靴音がコツコツと寂しげに響く。例年であれば歓迎会でにぎわ.....
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 3月末から新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)拡大が続く青森市。夜遅くまで営業し、酒類を提供する飲食店での発生も多い。市民の警戒感も高まってか、繁華街の人出はまばら。道行く人の靴音がコツコツと寂しげに響く。例年であれば歓迎会でにぎわう時期だが、店主らは「客がゼロの日も珍しくない」と、閑古鳥が鳴く現状に肩を落とす。[br][br] 「年末年始や歓送迎会シーズンなど、稼ぎ時ばかりに感染が拡大している」。同市本町で居酒屋を経営する60代女性は苦渋の表情を浮かべる。感染が落ち着いた2月中旬ごろにわずかに客足が戻ったが、3月末からのクラスター拡大で客足は一気に途絶えた。本来であれば、今の時期は歓迎会シーズンで20席ほどの店内が満席になるが、「誰も来ない日は珍しくない。常連客すら来なくなった」と閑散とした店内に目をやり、ため息をつく。[br][br] 近くで飲食店を営む男性(74)も「毎月の売り上げは例年の2、3割ほど。こんな状況がまさか1年も続くと思わなかった」と動揺を隠せない。男性は県や市の発表に不満があり、「クラスターが出た店名を公表してほしい」との思いを抱く。[br][br] 利用客が特定できない恐れがあれば、県や市で店名を公表するケースがあるが、通常は非公表。男性は「うわさだけが一人歩きし、店を休めばクラスターが出たと疑われかねない状況」と指摘。店ではきちんと感染対策を講じているが、夜の街は危険と一緒くたにされる現状を嘆く。[br][br] 飲食店はそれぞれ国の持続化給付金や各種補助金を活用してしのいでいるが、収束の兆しを見せない新型コロナにより、経営的に追い込まれつつある。[br][br] 柳町通り沿いにバーを構える男性オーナー(62)は「家賃や管理費充当で資金は底を尽きつつある。これ以上客が減ると持たない」と危機感を募らせる。バーはホテルの近くに立地し、普段は旅行客が訪れることも多い。喉から手が出るほど客は欲しいが、感染経路特定など万が一の場合に備え、今は入店を断っている。[br][br] 店で1人で過ごし、誰とも話さないまま閉店時間に帰ることもこの1年で慣れた。経営的には厳しいが、「なじみの利用客が集う場所を守りたい」と、店先に掲示する「みんなで頑張って乗り切ろう」の張り紙を見て自らを奮い立たせる。飲食店クラスターが相次ぐ青森市。歓迎会シーズンだが、同市本町の飲食店街は閑散としている=15日午後8時ごろ