【連載・お帰り 池江璃花子】(上)高い修正能力 「壁際」でタイム向上

 競泳日本選手権の女子100メートルバタフライを制し、400メートルメドレーリレーの東京五輪代表の座をつかんだ池江璃花子=東京アクアティクスセンター
 競泳日本選手権の女子100メートルバタフライを制し、400メートルメドレーリレーの東京五輪代表の座をつかんだ池江璃花子=東京アクアティクスセンター
白血病から復帰した競泳女子の池江璃花子(ルネサンス)が日本選手権の100メートルバタフライを制し、400メートルメドレーリレーの東京五輪代表の座をつかんだ。勝因と残す種目での勝機を探る。 大きく腕を伸ばしたタッチは、やや間延びしたようなゴー.....
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 白血病から復帰した競泳女子の池江璃花子(ルネサンス)が日本選手権の100メートルバタフライを制し、400メートルメドレーリレーの東京五輪代表の座をつかんだ。勝因と残す種目での勝機を探る。[br][br] 大きく腕を伸ばしたタッチは、やや間延びしたようなゴールシーンだった。五輪切符を手にした4日の女子100メートルバタフライ決勝。タイミングが合わなかったようにも映ったが、日本代表の平井伯昌ヘッドコーチは「さすがだ。うまい」とうなった。[br][br] まだまだ全盛期の筋力が戻っているわけでないため、終盤はどうしても腕がきつくなる。池江は3日の予選、準決勝を「ラスト10メートルで腕が回らなくなって、一気に落ちるレースだった」と振り返る。「どう1日で改善するか」と考えて迎えた4日の決勝は、最後まで力を振り絞って水をかくのではなく、ストロークを減らし、伸びながらゴールすることでタイムロスをなくす戦術に出た。[br][br] 折り返しのターンも「不安要素だった」と語る。予選、準決勝は壁の近くまでかき続け、やや詰まるようなタッチになっていた。そのため決勝は「スタート後のドルフィンキックの回数を調節した」。タッチ前後ではなく、序盤の泳ぎ方の微調整で距離感を合わせた。[br][br] 「壁際」と呼ばれるこうした部分のテクニックはトップスイマーにとって記録を大きく左右する重要な要素。池江は「天才的」(平井氏)な修正能力で、復帰後のベストタイムとなる58秒48で3位だった準決勝から、決勝は57秒77と大幅にタイムを伸ばした。見事に優勝と五輪切符をさらい「自分の泳ぎができた」と笑った。 競泳日本選手権の女子100メートルバタフライを制し、400メートルメドレーリレーの東京五輪代表の座をつかんだ池江璃花子=東京アクアティクスセンター