4件をいじめと認定 野西高生の自殺問題 県の調査部会が報告

「いじめと認められる行為があった」と三村申吾知事に報告する、部会長職務代理者の船木昭夫青森大社会学部教授=30日、青森県庁
「いじめと認められる行為があった」と三村申吾知事に報告する、部会長職務代理者の船木昭夫青森大社会学部教授=30日、青森県庁
2019年に自殺した八戸学院野辺地西高2年の山田武さん=当時(17)=の遺族が、学校でのいじめは認められないとした第三者委員会の報告書を不服として県に再調査を求めていた問題で、県青少年健全育成審議会いじめ調査部会は、調査対象とした山田さんに.....
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 2019年に自殺した八戸学院野辺地西高2年の山田武さん=当時(17)=の遺族が、学校でのいじめは認められないとした第三者委員会の報告書を不服として県に再調査を求めていた問題で、県青少年健全育成審議会いじめ調査部会は、調査対象とした山田さんに対する12件の行為のうち、4件を「いじめと認められる」と判断した。30日、部会長職務代理者の船木昭夫青森大社会学部教授らが三村申吾知事に調査結果を報告した。一方、自殺の背景は「さまざまな感情が関連している」として、いじめが直接の原因ではないと結論付けた。[br][br] 山田さんは東通村の自宅で自殺。遺族はいじめの可能性を指摘し、学校に調査を依頼した。学校法人光星学院が設置した第三者委は19年8月から約1年間調査を行ったが、いじめは認められないとした上で、自殺の原因は「度重なる失恋」との結論を出した。[br][br] 遺族は第三者委の調査報告書を不服として、県に再調査を要望。弁護士や精神科医計6人で構成する同部会が、20年12月から今年3月まで再調査を行った。[br][br] 再調査の論点は▽いじめの有無▽自殺の背景▽再発防止への提言―の3点。いじめの有無については、いじめ防止対策推進法と県いじめ防止基本方針を基に判断した。[br][br] いじめの有無に関連して調査対象となった行為は計12件。このうち、いじめと認めたのは▽「死ね〓」などと書かれたメモ▽友人とのSNS(会員制交流サイト)でのやりとり▽筆箱に性的な言葉が彫られていたこと▽友人生徒から「使い走り」をさせられていたこと―の4件。[br][br] 自殺の背景に関しては、失恋による気持ちの落ち込み、友人が相談に乗ってくれなかった拒絶感が重なった―と指摘。「いじめは自殺の一要因と考えられる」としつつも、「直接的な原因とは認められない」と判断した。[br][br] 結果を報告した船木教授は「いじめ、自殺は私たちの周りに存在する根深い問題であり、見て見ぬふりはできない」と強調。三村知事は「今後このような事態が起きないよう、いじめはどこでも起こるものと意識して防止に取り組む」と述べた。[br][br] 学校法人光星学院は30日、同校で県から再調査結果についての説明を受けたという。同法人の古川聡常務理事は「報告書の中身を精査した上で、見解などを示したい。現時点ではコメントできない」と話した。「いじめと認められる行為があった」と三村申吾知事に報告する、部会長職務代理者の船木昭夫青森大社会学部教授=30日、青森県庁