【新型コロナ】微増兆候、変異株に懸念 専門家「年末年始以上の急拡大も」

 緊急事態宣言後の東京都内の感染状況
 緊急事態宣言後の東京都内の感染状況
新型コロナウイルスの緊急事態宣言が21日を期限に解除される東京都の新規感染者数が下げ止まり、再び微増に転じ始めている。歓送迎会シーズンを迎えた繁華街では徐々に人出が回復。変異株の広がりなど懸念材料も重なり、専門家は「年末年始を超える急拡大も.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が21日を期限に解除される東京都の新規感染者数が下げ止まり、再び微増に転じ始めている。歓送迎会シーズンを迎えた繁華街では徐々に人出が回復。変異株の広がりなど懸念材料も重なり、専門家は「年末年始を超える急拡大も危惧される」と警告する。25日から福島県で始まる東京五輪の聖火リレーを控え、開催都市のリバウンドは止められるのか。[br][br] ▽高水準[br] 「7週間続いた減少傾向が止まり、高い水準のまま増加に転じた」。21日の期限で宣言解除が決まった18日、都内の感染状況を分析するモニタリング会議では国立国際医療研究センターの大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長が強い危機感を示した。[br][br] 3月の都内は2月中旬から始まった感染者数の下げ止まりが続き、9日以降は前週の同じ曜日を上回る日が目立つ。緊急事態宣言後の1月11日に直近7日間の平均が最多の1861・1人に達した後、今月8日には最少の253・4人まで下落したが、20日時点では298・7人となった。[br][br] 背景には、2度の延長に伴う「宣言慣れ」による人出の回復がある。都の会議で示されたデータによると、宣言の効果で抑えられていた主要繁華街での夜間滞留人口は2月上旬から増加。飲食店の時短営業で日中も増えている。4月に向けて人の流れはさらに活発化が予想され、既に卒業旅行やパーティーでの感染例も複数確認されている。[br][br] ▽課題[br] 都がリバウンド防止で力を入れるのは小池百合子知事も「最も重要」と強調する検査体制の拡充だ。クラスター(感染者集団)の発生防止を目的として医療機関などで定期的なPCR検査の導入を決め、まず葛飾区の複数の病院で職員ら約1200人を対象に先行実施。再拡大の予兆を把握するため、国と協力して繁華街などでのモニタリング検査にも取り組む。[br][br] 従来より感染力が強い変異株への対策は特に大きな課題。民間の検査機関と連携し、新規感染者に対する変異株検査の実施割合は現在の約10%から4月上旬をめどに約25%とし、その後早期に40%程度へ拡充する。[br][br] ▽未知[br] 都内が増加に転じた場合、大きく影響を受ける首都圏3県は動向に神経をとがらせる。いずれも感染者数の下げ止まり傾向が続き、再拡大のリスクがくすぶる。神奈川県の担当者は「これまでも東京の感染者が増えるとタイムラグがあって神奈川でも増えてきた。今回の動きも怖い」と危機感を募らせる。[br][br] ある都幹部は宣言解除にも「今が次の『第4波』に向けた始まりかもしれない」と懸念。過去の拡大期になかった変異株への対応が重要と強調し「未知の部分が多く、広がった場合は感染者数のピークがどこまでいくか分からない」と話した。 緊急事態宣言後の東京都内の感染状況