田子町田子の精肉店「肉の博明」(井畑博明社長)が、2019年12月に閉店した近くのスーパー「ファミリープラザたっこ」の店舗と土地を取得したことが28日、分かった。同スーパーは町中心部にあるサンモールたっこ商店街の中核店だったが、閉店後は空き店舗となっていた。肉の博明は精肉店と弁当・総菜販売店を取得店舗に集約し、新たに飲食部門を設置する方針。空きスペースには出店希望者を募る考えで、5月ごろのオープンを目指す。[br][br] 同スーパーは1985年にオープン。個人経営の専門店が並ぶ中、幅広い食品を扱う大型店として買い物客に利用されたが、19年に経営元の「ファミリープラザろくのへ」(十和田市)の事業停止に伴って閉店。中核店が空き店舗となり、商店街の集客力低下が懸念されていた。[br][br] 肉の博明は競売となった店舗と土地を落札し、2月22日付で所有権を得た。町商工会長でもある井畑社長は「自分の店のサービス充実だけでなく、商店街全体の活気を取り戻したい」と意欲を語った。[br][br] 店舗は鉄骨造り平屋建て(床面積859平方メートル)で、オープンまでに設備の入れ替えや内装工事を行う。飲食部門では、町特産の「田子牛」を焼き肉などで味わえるコーナーを設置する。[br][br] 空きスペースは、若者がコーヒーやスイーツなどの販売に挑戦できる場所に活用。地元住民が食料品を買ったり、町外の人が立ち寄ったりできる場所も設ける計画だ。[br][br] 井畑社長は「ファミリープラザと同じ役割の場所に戻すのではく、田子をまるごと楽しめて地域住民も集える場所にしたい」と強調。同商店街の熊谷和広会長も「商店街の振興へ向け、もり立てられたら」と連携に意欲を見せる。[br][br] 町産業振興課の工藤義広課長は「民間主導の中で、出店者の紹介など地域活性化のためにできることがあれば協力していく」と述べた。