【青森県予算案・解説】コロナ後の発展へ「好手」を

青森県が18日発表した2021年度当初予算案は、喫緊の課題である新型コロナウイルス対策関連経費として812億円を盛り込み、過去15年で最大規模に膨らんだ。 一方、県債残高(借金)を減らしつつ、基金(貯金)を取り崩さない収支均衡を5年連続で達.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 青森県が18日発表した2021年度当初予算案は、喫緊の課題である新型コロナウイルス対策関連経費として812億円を盛り込み、過去15年で最大規模に膨らんだ。[br][br] 一方、県債残高(借金)を減らしつつ、基金(貯金)を取り崩さない収支均衡を5年連続で達成。県税収入の落ち込みが予想される中、臨時財政対策債の増額を含め、前年度を上回る実質的な地方交付税を確保できたことが、財政規律の堅持の要因となった。とはいえ、22年度以降も同様の措置が取られるとは限らず、引き続き厳しい財政運営を迫られそうだ。[br][br] 新型コロナ関連では、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図りながら、収束後を見据えた事業に重点配分した。この難局を乗り切った後に反転攻勢していくため、県の強みである「食」「観光」を通じた経済再生、「新しい生活様式」を支えるデジタル化を進めようとする姿勢が色濃くにじんでいる。[br][br] 三村申吾知事は「必要な部分はきっちりと段取りした。経済を回す仕組みの方向性を示すことができた」と胸を張る。即効性のある事業だけでなく、時間をかける「将来への布石」にも力を入れた。[br][br] ただ、“コロナ関連”と位置付けた事業の中には、こじつけと捉えられかねない内容も見られる。創意工夫し、ひねり出した事業を否定するつもりはないが、しっかりと効果を検証し、県民の理解を得られるよう努めなければならない。[br][br] 県民の生業(なりわい)や命を「守り」、地域経済を回す「攻め」を両立し、「明日へつなぐ攻守一体予算」と名付けた三村知事。収束後の県勢発展への「好手」となるよう、効果的で切れ目のない施策展開が求められる。