【連載・八戸西初の甲子園へ】(5・完)いざ聖地へ

センバツ出場が決まり、聖地での活躍を誓う八戸西ナイン=1月29日、八戸西高
センバツ出場が決まり、聖地での活躍を誓う八戸西ナイン=1月29日、八戸西高
青森県勢として初めて21世紀枠で春のセンバツに出場する八戸西。昨秋の東北大会は、例年の一般枠では選出されない8強だったこともあり、ナインは「今のままでは勝てない」と現状を冷静に見詰める。それでも甲子園の目標は強気に「2勝」。来月19日開幕の.....
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 青森県勢として初めて21世紀枠で春のセンバツに出場する八戸西。昨秋の東北大会は、例年の一般枠では選出されない8強だったこともあり、ナインは「今のままでは勝てない」と現状を冷静に見詰める。それでも甲子園の目標は強気に「2勝」。来月19日開幕の本番に備え、日々の練習に精力的に向き合っている。[br][br] 小川貴史監督が初の甲子園で目指すのは、昨秋同様の「打ち勝つ野球」。プロ注目の長身エース福島蓮(2年)はある程度失点を計算できるだけに、それを上回る得点力を身につけられるかが鍵になる。[br][br] この冬、ナインは通常の金属バットよりも約0・5キロ重く、グリップの太いバットを徹底的に振り込んできた。「通常のバットを振った際に、ヘッドを回りやすくするため」(小川監督)の練習法だ。[br][br] 速球投手を想定して、打撃練習時のマシンのスピードも150キロ前後に設定。当初は打ち損じが多かったが、徐々に捉えられるようになってきた。リードオフマンの相前雄一朗(2年)は「スイングスピードがアップし、筋力も増えた。秋よりも強い打球を打てるようになった」と成長を実感している。[br][br] 投手陣は筋力や体幹のトレーニングに励み、下半身強化に努めている。中でも福島は秋から体重が約5キロ増え、「脚の力を腕に伝えるコツも分かってきた」。最速143キロの直球、制球力は「秋より上がった感じがする」と話す。[br][br] 今後は徐々に捕手を座らせての投球練習が本格化する。「球速、制球、変化球のキレなど、全ての面でもっとレベルアップしたい」。大黒柱としての使命感に燃える。[br][br] 一方、内外野の守りには課題が残る。昨秋の東北大会準々決勝の花巻東(岩手)戦は、福島が8回4安打と好投しながら、記録に表れない守りのミスが絡んで失点し、敗れた。野手陣は打撃練習重視で、守備練習の時間が少ないこともあり、小川監督は「守りのミスは仕方ない」と割り切っている。[br][br] それでも、甲子園では、特に1点を争う展開では、一つのミスが致命傷になりかねない。宮﨑一綺主将は「エラーから無駄な点を与えないようにしたい」と話し、土のグラウンドでプレーできる大会前の関東、関西遠征での練習試合などを通じて急ピッチで仕上げていく方針だ。[br][br] 福島に続く投手として、廣田大和(2年)、平内友悠(同)らの成長も欠かせない。中村渉投手コーチは「3球で打者を追い込めるように指導していく。優位に立てば強打者にも対応できる」と話した。[br][br] ナインが残る課題を一つずつクリアしながら、本番へ突き進む。センバツ出場が決まり、聖地での活躍を誓う八戸西ナイン=1月29日、八戸西高