「リハビリ難民」を救え 作業療法士の柴崎さん、八戸にスタジオ開設

「納得いくまでリハビリを継続できる環境にしたい」と思いを語る柴崎元さん=昨年12月、八戸市
「納得いくまでリハビリを継続できる環境にしたい」と思いを語る柴崎元さん=昨年12月、八戸市
2006年の診療報酬改定で、医療機関で受けられるリハビリの日数や内容が制限されたことにより、リハビリを受けたいのに受けられない“リハビリ難民”の問題が深刻化している。医療保険や介護保険など公的保険では足りないと感じる患者の受け皿として、自費.....
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 2006年の診療報酬改定で、医療機関で受けられるリハビリの日数や内容が制限されたことにより、リハビリを受けたいのに受けられない“リハビリ難民”の問題が深刻化している。医療保険や介護保険など公的保険では足りないと感じる患者の受け皿として、自費によるリハビリの需要が高まっている一方で、青森県内で対応できる施設はほとんどない。こうした中、八戸市の作業療法士柴崎元(はじめ)さん(37)は、八戸市旭ケ丘1丁目にリハビリスタジオを開設し、個々の目標や回復状況に応じたきめ細やかなケアを提供している。[br][br] 診療報酬の改定に伴い、例えば脳卒中の後遺症などで十分に機能が回復していなくても、上限に達したらリハビリは打ち切られる。[br][br] 介護保険サービスに移行してリハビリを受けることもできるが、職場復帰を目指す人にとっては内容や時間が不十分だったり、若くして脳卒中になった人は介護保険サービスを利用できなかったりと、制度の「はざま」で悩む人も。制限の一部は見直しが進められているものの、高齢化に伴い、今後もリハビリ難民の増加が懸念されている。[br][br] 柴崎さん自身も、これまでに福島県二本松市の病院や八戸市の総合リハビリ美保野病院で外来や入院患者のリハビリに携わっていく中で、日数の上限に達したために、やむを得ずリハビリを打ち切った患者を何人も見てきた。職場復帰や機能回復など、個々の目標に添って本人が納得いくまでリハビリができる環境が必要だと実感したという。[br][br] 「八戸にも自費リハビリという新たな選択肢を作りたい」。一念発起した柴崎さんは同病院を退職し、昨年10月に市内初となる自費リハビリスタジオ「私のリハビリ」を開業した。期限にとらわれることなく、目標や状態に応じてじっくりと取り組めるのが最大のメリットで、公的保険のリハビリと併用することができるのも特徴の一つだ。[br][br] 同スタジオを利用する30代男性は「八戸で自費リハビリが受けられるのはとても助かる。何よりも作業療法士が一緒になって頑張ってくれることが心強い」と、精神的な支えにもなっているという。[br][br] リハビリ難民の受け皿としてだけでなく、若手の育成にも取り組むほか、脳卒中の後遺症に悩む患者が交流する場としての機能も果たす。目指すのはリハビリのことなら何でも相談できる“駆け込み寺”だ。柴崎さんは「リハビリの専門家として安心感を提供できるような、頼りにされる施設にしていきたい」と思いを強くしてる。[br][br] 「私のリハビリ」は予約制。問い合わせは柴崎さん=携帯電話090(5599)2905、メールstudio.watareha.01@gmail.com=へ。「納得いくまでリハビリを継続できる環境にしたい」と思いを語る柴崎元さん=昨年12月、八戸市