コロナ禍でも「子どもを笑顔に」 工大二高生が食品の無償提供展開

放課後児童クラブの児童に食料を渡す生徒たち=昨年11月、階上町(八戸工大二高提供)
放課後児童クラブの児童に食料を渡す生徒たち=昨年11月、階上町(八戸工大二高提供)
子ども食堂のプロデュースを目指して活動する八戸工大二高2年の生徒22人は、地域の放課後児童クラブにお菓子などの食品を無料で提供するフードパントリーを展開している。新型コロナウイルスの影響で思うように活動ができない中、「少しでも地域の子どもた.....
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 子ども食堂のプロデュースを目指して活動する八戸工大二高2年の生徒22人は、地域の放課後児童クラブにお菓子などの食品を無料で提供するフードパントリーを展開している。新型コロナウイルスの影響で思うように活動ができない中、「少しでも地域の子どもたちを喜ばせたい」と、できる範囲で取り組みを継続。そんな生徒の思いに共感した保護者や地元事業者が協力を申し出るなど、善意の輪が広がっている。[br][br] 同校では総合的な学習の一環として、生徒それぞれが興味のあるテーマを基に探求学習に取り組んでいる。子ども食堂をテーマにした生徒たちは、当初、自分たちで子ども食堂を開くことを目指していたが、新型コロナの影響により、思うように活動ができない状況だった。[br][br] 「今、自分たちにできることは何か」。生徒たちは八戸市長者の「ちょうじゃこども食堂」を運営する八戸市のNPO法人ワーカーズコープに助言をもらいながらアイデアを出し合い、フードパントリーの実施を決めた。[br][br] 昨秋、子ども食堂の取り組みを紹介する掲示物を作成し、校内で食品の寄付を募ると、教員や生徒、保護者らからたくさんの善意が集まり、市内の放課後児童クラブでフードパントリーを実現。続けて八戸青年会議所にも協力を呼び掛けたところ、贈答品を扱うハリカ八戸店からバウムクーヘン約800個を譲り受けた。[br][br] 昨年11月には、生徒を代表して上野結衣さん(17)と大野沙弥さん(16)の2人が階上町にある4カ所の放課後児童クラブを訪れ、手書きのメッセージカードを添えたバウムクーヘンを児童にプレゼント。後日、それぞれのクラブから感謝の手紙や、写真と折り紙を貼った子どもたち手作りの寄せ書きが届いたという。[br][br] 上野さんは「子ども食堂の取り組みは、たくさんの人の協力で成り立っていることを改めて感じた」、大野さんも「コロナ禍で児童クラブの子たちもつらい思いをしている。少しでも笑顔になってもらえたことがうれしい」とやりがいを感じた様子だ。[br][br] プレゼントを受け取った階上保育園クラブでは「ありがとうの気持ちを届けたい」という児童からの提案で、お礼のメッセージを作成。上山美幸園長は、卒園児でもある大野さんが立派にボランティア活動をする姿に感激したといい、「とても温かい気持ちになり、感謝の気持ちでいっぱい。ボランティア活動について子どもたちと考えるきっかけにもしたい」と喜ぶ。[br][br] 子ども食堂の実現に向けて、これからもできることに取り組みたいという生徒たち。「たくさんの人を笑顔にできるような子ども食堂を作りたい」と意欲を持ち続けている。放課後児童クラブの児童に食料を渡す生徒たち=昨年11月、階上町(八戸工大二高提供)