稼働率向上へイワシ試験水揚げ/八戸市魚市場A棟

八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟で行われたイワシの試験水揚げ=23日
八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟で行われたイワシの試験水揚げ=23日
八戸市は23日、サバ専用の市第3魚市場荷さばき施設A棟で、マイワシの試験水揚げを実施した。作業上のトラブルはなかったが、魚価は下落した。一方、魚体の状態については評価が割れた。市側は漁業関係者の意見も踏まえ、本年度内にA棟でサバとマイワシの.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 八戸市は23日、サバ専用の市第3魚市場荷さばき施設A棟で、マイワシの試験水揚げを実施した。作業上のトラブルはなかったが、魚価は下落した。一方、魚体の状態については評価が割れた。市側は漁業関係者の意見も踏まえ、本年度内にA棟でサバとマイワシの混獲を受け入れるか判断する考えを示した。[br][br] 低迷するA棟の稼働率アップに向けた取り組み。マイワシを取り扱う際に出る大量のうろこを処理するため、市は6月下旬に除去設備を増設していた。ただ、今季は大中型巻き網船の混獲がほとんどなく、八戸近海ではマイワシの漁獲が遅れていたが、同日に漁業者の協力を得て試験にこぎ着けた。[br][br] 八戸前沖で操業した地元の小型巻き網船団の運搬船「第3兼神丸」(19トン)が32トンを水揚げ。魚槽からフィッシュポンプで吸い上げ、ベルトコンベヤーで運びタンクに詰める一連の作業は滞りなく進み、懸念されたうろこの目詰まりによる故障などもなかった。[br][br] 除去設備を使ったうろこのこし取りは、手作業で行われ、ベルトコンベヤーには取り切れないうろこがびっしりと付着した。ただ、市水産事務所の茨島隆所長は「サバと同様、使用後は洗浄するので問題ないと思う」と話した。[br][br] 入札の結果、A棟のマイワシは10キロ当たり300円と、船団が同日に漁獲した110トンのうち最安値が付いた。最高値は鮫地区の市第1魚市場で水揚げされた400円だった。[br][br] いずれもサイズは50~60グラム主体で70グラム以上が1割程度と小ぶり。A棟の魚体の評価は「第1魚市場とあまり変わらない」(市場関係者)、「フィッシュポンプで擦れて傷んでいる」(仲買人)と割れた。A棟のマイワシはミール(魚粉)、第1魚市場のマイワシは冷凍に回る見込み。[br][br] A棟での混獲の受け入れを巡っては、市が国へ提出予定のA棟運営の改善計画(2021~23年度)に盛り込むことを視野に今回の試験に取り組んでいる。一方、地元の水産業界では安価で身が柔らかいマイワシを扱うこと自体を疑問視する声も根強い。八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟で行われたイワシの試験水揚げ=23日