旧盛田牧場(七戸)の曲屋厩舎 飲食や会合スペースに再生

厩舎を古民家風に再生した曲屋KANEKO=11月下旬、七戸町
厩舎を古民家風に再生した曲屋KANEKO=11月下旬、七戸町
かつて数多くの名馬を輩出した七戸町の旧盛田牧場にある、国指定登録有形文化財「南部曲屋育成厩舎(きゅうしゃ)」が本年度、飲食や会合などに利用できる空間に装いを新たにした。築100年を超え、現存する軽種馬育成厩舎で国内最古という貴重な建物だが、.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 かつて数多くの名馬を輩出した七戸町の旧盛田牧場にある、国指定登録有形文化財「南部曲屋育成厩舎(きゅうしゃ)」が本年度、飲食や会合などに利用できる空間に装いを新たにした。築100年を超え、現存する軽種馬育成厩舎で国内最古という貴重な建物だが、この10年ほどは活用されていなかった。管理する同町の金子ファームが、馬産地ならではの歴史に触れられる施設として再び命を吹き込んだ。[br][br] 旧盛田牧場は昭和初期から中期にかけ、天皇賞や日本ダービーなどを制した数々の名馬を世に送り出し、全国に名をはせた。2006年に閉場となり、関連施設が同社へ譲渡されていた。[br][br] 1912年建築の同厩舎は木造2階建てで、建築面積が約370平方メートル。昔ながらのかやぶき屋根で、人の居住部と馬小屋がL字型に配置される伝統的な南部曲がり屋だ。洋風の装飾が施された応接室があり、洋式牧場としての趣も残す。[br][br] 同社では10年ほど前にかやぶき屋根が壊れたのをきっかけに再生に着手。老朽化が進み、傷みが目立つようになっていた室内の改修にも少しずつ取り組んだ。[br][br] 室内部分は洋風の応接室をそのまま残し、馬房の一部の仕切りを取り払って厩舎の半分ほどを飲食スペースなどに改装。建築当時の梁(はり)を生かすなど古民家風に仕上げた。[br][br] 使いやすさを求めるだけではなく、馬房を残すほか、厩舎の外観を維持し、室内には絵馬を飾るなど馬文化を伝えることにもこだわった。[br][br] 一連の改修は4月に完了し、「曲屋KANEKO」としてお披露目予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大などで延期になった。現在は関係者らに口コミで紹介。1日1組の事前予約制で、同社の牛肉を使った弁当を提供しており、知る人ぞ知る“隠れ家”的に営業する。[br][br] 同社の金子吉行専務は「七戸の馬文化にゆっくり触れられる空間になっている。古い懐かしさを感じながら過ごしてほしい」と話す。[br][br] 施設の利用は、日中のみとなり、弁当付き2時間半で4600円(税込み)。一度に4~10人程度を受け入れる。予約受付時間は午後2~5時。問い合わせは曲屋KANEKO=電話080(5754)5031=へ。厩舎を古民家風に再生した曲屋KANEKO=11月下旬、七戸町