天鐘(12月13日)

8歳のヴァージニアは浮かない顔。学校で友達と口論になったらしい。家に帰ってきた父親のアドバイスを受け、新聞社に助けを求めることに。短い手紙に気持ちをぶつける。「サンタクロースはいるの?」▼返事は数日後、ニューヨークの日刊紙「ザ・サン」に掲載.....
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 8歳のヴァージニアは浮かない顔。学校で友達と口論になったらしい。家に帰ってきた父親のアドバイスを受け、新聞社に助けを求めることに。短い手紙に気持ちをぶつける。「サンタクロースはいるの?」▼返事は数日後、ニューヨークの日刊紙「ザ・サン」に掲載された。素敵な投書をくれた少女に感謝し、優しく語りかけるような社説が反響を呼ぶ。「そうだよ、ヴァージニア、サンタクロースはいるんだ!」▼たとえ見えなくても、愛、思いやり、いたわりと同じように、サンタは存在する―。子どもの無垢(むく)な問いを真っ正面から受け止めた“世界で最も有名な社説”である。心温まる123年前の逸話は今も語り継がれる▼もうすぐクリスマス。きらめくツリーの装飾には意味があり、希望、祝福、永遠の生命などの象徴だとか。八戸市の「こどもはっち」の飾りは幼児や小学生の手作り。雪だるまも少し不格好なのが可愛らしい▼裏には欲しいものが書いてある。事情があってプレゼントをもらえない子どもたちの願いである。それを見た第三者がサンタになる「ギビングツリー(援助の木)」。欧米ではごく一般的な慈善活動だという▼初めての試みだが、コロナの影響もうかがえる。だからこそ手を取り合いたい。至情が笑顔を生み、ぬくもりが社会に広がっていけば。そう、サンタは人々の心でもある。善意の受け付けは20日まで。