企業の6割、後継者不在/青森県内 4年連続上昇

民間信用調査会社の帝国データバンク青森支店は9日、青森県内企業の2020年の後継者不在状況を発表した。今回の調査対象とした2226社のうち、1355社で企業経営を引き継ぐ人がおらず、後継者が決まっていない割合を示す「後継者不在率」は60・9.....
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 民間信用調査会社の帝国データバンク青森支店は9日、青森県内企業の2020年の後継者不在状況を発表した。今回の調査対象とした2226社のうち、1355社で企業経営を引き継ぐ人がおらず、後継者が決まっていない割合を示す「後継者不在率」は60・9%(前年比0・6ポイント増)に上った。全国平均よりは低いものの、4年連続で上昇し、調査を開始した11年以降で最も高くなった。[br][br] 地域経済には新型コロナウイルスの影響が広がっており、同支店は「感染拡大による業績悪化などが追い打ちとなって事業継続を断念する事例も想定され、今まで以上に事業承継支援が重要になる」と指摘する。[br][br] 全国平均の後継者不在率は65・1%。県内の割合はそれより4・2ポイント低く、後継者が決まっていない企業は全国平均よりも少ない。[br][br] 県内の不在率を社長の年代別で見ると、50代と60代を除く全ての年代で前年より高かった。50代は66・7%(3・2ポイント減)、60代は41・3%(3・1ポイント減)、70代は41・3%(1・9ポイント増)、80代以上は40・5%(6・0ポイント増)となった。[br][br] 事業承継の検討期に入る50代と、適齢期とされる60代は前年実績や全国平均より低い一方、70代と80代以上は全国的な水準よりも高く、高齢経営者の承継が進んでいない現状がある。[br][br] 業種別の不在率は、不動産業が69・8%(2・2ポイント増)で最も高い割合となった。次いで、サービス業が65・9%(0・1ポイント減)、建設業が65・0%(1・1ポイント減)で続いた。最も低かったのは製造業の52・5%(0・6ポイント減)だった。[br][br] 全体的な傾向として、後継者候補は社長の子どもの割合が最も高く、70代以上では70%超に上った。[br][br] 事業承継は経営体力に余力がない小規模事業者ほど難しい側面がある。同支店は「中小企業それぞれが持つ独自のノウハウなど、差別化された強みを明確にした上でバトンを引き継ぐことが必要」としている。