【八戸飲食店クラスター】県、市の対応や情報公開に問題点は?

新型コロナウイルスの感染者の確認について会見する小林眞八戸市長=9日、市庁
新型コロナウイルスの感染者の確認について会見する小林眞八戸市長=9日、市庁
八戸市中心街の飲食店で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)を巡り、青森県と市は8日まで「職場関係者」と説明するだけで、不特定多数が出入りする飲食店だとは明かさなかった。9日に利用客の感染が判明したのを受け、初めて接待を伴う飲.....
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 八戸市中心街の飲食店で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)を巡り、青森県と市は8日まで「職場関係者」と説明するだけで、不特定多数が出入りする飲食店だとは明かさなかった。9日に利用客の感染が判明したのを受け、初めて接待を伴う飲食店という業態と店名を公表。店は2日に1人目の従業員の感染が確認されてからも、5日まで営業を続けていた。この間に感染が広がった懸念もある。対応に遅れはなかったのか―。[br][br] 本来、感染者が判明した場合、保健所はすぐに店側に営業自粛を求める仕組みとなっているが、1人目が飲食店で働いているのを把握できたのは5日。ただ、3日には店周辺で「感染の判明後も営業を続けており、このままではクラスターになるのではないか」との懸念が広がっていた。[br][br] 5日の把握後も公表を控えた理由について、県と市は「(利用客には広がらず)職場関係者で感染がとどまると思った。公表による影響は大きく、どの時点で公表するかを見極めていた」と説明する。店から顧客名簿の提供を受け、利用客をほぼ把握できたことも理由に挙げる。[br][br] 9日になって公表したのは、クラスター化したのに加え、利用客の感染が確認されたため。接触者の把握に向けて「名簿を基に利用客を追うより、店名を公表して呼び掛け、連絡をもらう方が早い」との判断に変えたという。 実際に、連絡の取れない利用客もおり、今後の調査次第では、利用客からさらに感染者が確認される恐れがある。[br][br] 公表が遅かったのではないかとの指摘に、県感染症コーディネーターの大西基喜医師は「慎重に事を進める必要があり、遅すぎることはない」と強調した。[br][br] 一方、今回のクラスターに関しては、現場がある八戸市保健所ではなく、三戸地方保健所を所管する県が詳細情報を発表している。最初の感染者が三戸地方管内に住む男性で、県が調査に着手したことが理由。感染者の大半が八戸市民であるにもかかわらず、市の会見では「県に取材してほしい」との回答が目立った。[br][br] 市は両保健所で合同対策本部を立ち上げ連携して調査している―とするものの、一連の経過に関しては「調査主体は県であり、責任を持って情報を公表する主体も県」と強調する。役割分担して、市は注意喚起などを行っているという。新型コロナウイルスの感染者の確認について会見する小林眞八戸市長=9日、市庁