大けが乗り越え、新たな夢追う 関さん(六戸)「地元盛り上げたい」

「若者たちが集まるイベントを立ち上げて地元を盛り上げたい」と新たな夢を描く関夢郁さん=11月、六戸町
「若者たちが集まるイベントを立ち上げて地元を盛り上げたい」と新たな夢を描く関夢郁さん=11月、六戸町
六戸町でダンス用の衣装やワッペンなどを製作している関夢郁(ゆい)さん(32)。ヒップホップダンサーとして活躍する日を夢見ていたが、2年前に不慮の“事故”で大けがを負い、ダンスを続けるのが困難になったのをきっかけに、ダンサーをサポートする側に.....
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 六戸町でダンス用の衣装やワッペンなどを製作している関夢郁(ゆい)さん(32)。ヒップホップダンサーとして活躍する日を夢見ていたが、2年前に不慮の“事故”で大けがを負い、ダンスを続けるのが困難になったのをきっかけに、ダンサーをサポートする側に転身した。現在は衣装だけでなくアーティストのグッズや飲食店のロゴワッペン作りなどを幅広く手掛けており、「いずれは子どもや若者たちが集まるイベントを立ち上げて地元を盛り上げたい」と新たな夢を描く。[br][br] 同町出身の関さんは、高校時代にヒップホップダンスに熱中し、卒業後は東京で働きながらダンススクールに通ってコンテストなどに参加した。帰郷した後も全国のイベントに足を運び、ダンサーとして活躍する日を夢見ていた。[br][br] やがてダンスを通じて知り合った洋俊さんと結婚。洋俊さんの住む仙台市でダンスのインストラクターをしながら生活していた。[br][br] しかし、2018年に大けがに見舞われる。家族の付き添いで訪れた東京都内の病院で突然、意識を失って倒れた。頭を床に強打し、そのまま入院。脳挫傷の大けがを負ったが、場所が病院だったこともあり、一命を取り留めた。ただ、記憶の一部を失うなど後遺症が残り、医者から大好きなダンスを控えるよう告げられた。[br][br] 戸惑う中、「リハビリには手を動かす作業がいい」と聞き、ハンドメードの世界へ。やがて「サポート役でもいいのでダンスに関わりたい。これまでに広がった縁を生かして衣装を作る仕事がしたい」という気持ちが高まり、刺しゅうをあしらった衣装作りに挑戦することを決めた。[br][br] 19年に療養のため六戸に帰郷。ワッペンなどさまざまな注文を請け負う刺しゅうサービス会社「GroFeLure(グルフィルア)」を立ち上げた。改装した作業小屋を拠点に顧客と打ち合わせを重ねながら、専用のミシンとデザインソフトを使って刺しゅうを施している。[br][br] 「洗濯しても落ちず、立体的で高級感のある作品ができるのが刺しゅうの魅力」と関さん。ダンス用の衣装だけでなく、アーティストのグッズ、飲食店のロゴワッペンなどの依頼を受け、製作。会員制交流サイト(SNS)などの口コミで評判が広がり、今では全国から注文が舞い込む。[br][br] 今年は新型コロナウイルスの影響でイベントの中止が相次いだ。披露する場を失ったダンサーたちが落胆する様子を間近で見てきた関さん。刺しゅう商品の販売と、パフォーマンス披露を組み合わせた地元でのイベントを考えているという。「ダンスを問わず、子どもや若者がやりたいことを発表する環境をつくりたい。若い子たちの視野を広げる手伝いができれば」と意欲を語った。「若者たちが集まるイベントを立ち上げて地元を盛り上げたい」と新たな夢を描く関夢郁さん=11月、六戸町