大型車の車輪脱落事故 青森県が東北最少 県トラック協会独自の対策奏功

大型車の車輪脱落事故を防止するため、日々の点検が重要となっている=11月中旬、青森市
大型車の車輪脱落事故を防止するため、日々の点検が重要となっている=11月中旬、青森市
東北運輸局がまとめた2019年度の大型トラックやバスの車輪脱落事故発生状況によると、東北6県では統計史上最多の計48件(前年度比22件増)に上り、青森を除く5県全てが増加する中、青森県は東北最少の1件(5件減)にとどまった。県トラック協会(.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 東北運輸局がまとめた2019年度の大型トラックやバスの車輪脱落事故発生状況によると、東北6県では統計史上最多の計48件(前年度比22件増)に上り、青森を除く5県全てが増加する中、青森県は東北最少の1件(5件減)にとどまった。県トラック協会(木村英敬会長)が19年度から始めた独自の車輪脱落対策が“功を奏した”とみられる。同運輸局は「積雪地域は冬季に脱落事故が多発する。事故防止につながる作業を確実に行ってほしい」と日々の点検の重要性を訴えた。[br][br] 東北の事故の特徴として、▽冬季(11月~翌年2月)の発生が62・5%と集中▽車輪脱着作業から1カ月以内に50%発生▽脱着作業別ではタイヤ交換が46%で最も多い▽事故発生推定原因(重複あり)では保守管理不備が58%と過半数を占めた―などだった。[br][br] 大型車の重大事故防止に向け、県トラック協会は毎年、協会員に対する点検整備推進運動を展開。トラックの保守、管理や、自主点検を促している。[br][br] 19年度からは自主点検項目に「ホイール・ナット締め付け状態の点検・整備」を独自に追加。総点検車両数5587台のうち、448台、8%に締め付けの緩みにつながるトルク不足が判明した。協会員からは「いつも以上に念入りに点検することができた」などの声が上がる。[br][br] 石油やLPガスを運搬するニヤクコーポレーション東北支店青森事業所(青森市)も、日頃から車輪脱落事故防止に努めている企業の一つ。船橋貴事業所長は「大型車のタイヤ1本の総重量は約100キロ。外れると重大事故につながる」と危険性を認識する。[br][br] タイヤ1本には、ボルトとナットは8~10セットあり点検に手間がかかる。その上で、「地道な作業の積み重ねこそが、重大事故の最大の防止策になる」と気を引き締める。[br][br] 同運輸局では、11月から翌年2月まで大型車の車輪脱落事故防止キャンペーンを実施。▽規定のトルクで確実な締め付け▽50~100キロ走行した後の増し締め▽1日1回の日常点検▽ホイールに適合したボルト、ナットの使用―の主に4項目の徹底を求めている。大型車の車輪脱落事故を防止するため、日々の点検が重要となっている=11月中旬、青森市