【新型コロナ】弘前の大規模クラスター以降 1カ月で241人感染/青森県内

弘前市の飲食店で発生した新型コロナウイルスの大規模クラスター(感染者集団)の感染者が10月12日に初めて確認されてから1カ月余り。連日のように感染者が判明し、11月14日までの間に感染確認は241人、死亡者は5人を数えた。八戸市でも10月3.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 弘前市の飲食店で発生した新型コロナウイルスの大規模クラスター(感染者集団)の感染者が10月12日に初めて確認されてから1カ月余り。連日のように感染者が判明し、11月14日までの間に感染確認は241人、死亡者は5人を数えた。八戸市でも10月30日以降、二つの介護施設でクラスターが発生し、関連で計18人が感染した。全国では感染者が急増し、第3波に入ったとされている。県内での感染拡大再燃防止に向け、検査や医療体制の整備が急務となっている。[br][br] ■医療体制が一時切迫[br] 10月11日までの県内の感染者は37人だった。12日以降、1日で最大26人の感染が判明するなど短期間で感染者が急増し、県内の検査体制や医療体制は一時厳しい状況に陥った。[br][br] ピーク時には1日の検査数が292件(10月23日)となったほか、入院などの調整者が50人(同19日)に上るなど、検査能力や入院病床、療養先が追い付かない事態に陥った。[br][br] 弘前保健所管内で初のクラスターとなった接待を伴う飲食店クラブ「縷(ル)・シャモン」、スナック「シャモン」では従業員や利用客の感染が次々と発覚し、同居人や知人、職場関係者に拡大。関連の感染者は186人に達している。[br][br] 利用客だった医師が感染した弘愛会病院(弘前市)はクラスター化したほか、院内感染も発生した。[br][br] ■感染者少なく早期収束[br] 八戸市では、通所型介護施設「デイサービスセンターひまわり苑」と入居型高齢者施設「ファインスカイ」で利用者と職員計14人、知人や同居人ら4人の計18人の感染が判明した。[br][br] 二つの介護施設クラスターは、主な濃厚接触者の調査や検査が済んでおり、拡大の可能性は少ない。[br][br] 県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は「最初に確認した感染者数の差が影響した」と指摘。感染経路を素早く追えたことが早期収束の要因になったという。[br][br] 対照的に、飲食店クラスターは収束に時間を要している。大西医師は「長い期間で多くの感染が成立し、大規模となり時間がかかった」との見方を示す。[br][br] ■検査基準の明確化必要[br] 飲食店クラスターでは、弘前保健所の初動対応の遅れという課題も露呈した。飲食店側は10月上旬から複数回、保健所に相談していたが、当時の弘前管内では感染が未確認で、国の判断基準となる県外・海外への移動歴、感染が強く疑われる症状に当てはまらなかったため、早期検査につながらなかった。[br][br] 当時の保健所の対応について、大西医師は「国の基準に沿った判断だった」と説明しつつ、「今後は個別の状況に応じ検査していく必要がある」と語る。[br][br] 現在は、国の判断基準にとらわれることなく、各保健所の裁量で柔軟に対応しているという。大西医師は「県外への移動歴がなくても感染拡大のリスクが高い場合は検査するなど、県内での基準を明確にする必要がある」と強調する。