「与助の牛」目指せブランド和牛 佐々木農場(五戸)販売開始

「与助の牛」として出荷予定の黒毛和牛の世話をする佐々木政喜さん=10月下旬、五戸町上市川
「与助の牛」として出荷予定の黒毛和牛の世話をする佐々木政喜さん=10月下旬、五戸町上市川
五戸町上市川で黒毛和牛を生産する「佐々木農場」は今年、独自の基準をクリアした和牛を「与助の牛」ブランドとして販売を始めた。脂の質にこだわり、通常よりも長い30カ月以上肥育。出荷頭数は少ないが、生産拡大や販売体制の充実を図る考えだ。販売を担当.....
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 五戸町上市川で黒毛和牛を生産する「佐々木農場」は今年、独自の基準をクリアした和牛を「与助の牛」ブランドとして販売を始めた。脂の質にこだわり、通常よりも長い30カ月以上肥育。出荷頭数は少ないが、生産拡大や販売体制の充実を図る考えだ。販売を担当する佐々木政喜さん(40)は「青森の畜産が全国から注目されるきっかけになるような牛にしたい」と強調する。[br][br] 同農場が本格的に開発に乗り出したのは昨年夏ごろ。佐々木さんが以前、農産物の高付加価値化に取り組む青森県外の法人などで勤務した経験から、「実家の農場でもブランド和牛を生産したい」と考えたのがきっかけだった。「与助」の名は、佐々木さんの実家の屋号に由来する。[br][br] 農場では、外部から牛を導入せず、出産や肥育などの生産過程を一貫して管理。改良を重ねた独自の餌で育てた牛のうち、▽肉質が柔らかい未経産の雌牛▽30カ月以上肥育―といった基準を満たした牛のみを与助の牛として出荷している。[br][br] 佐々木さんが追求するのは「食べておいしい牛」だ。その一環として、全個体で脂肪酸の組成分析を実施。6月に初めて販売した牛は、脂の質に影響する「オレイン酸」の数値が56・1%と高く、口溶けの良い脂に仕上がった。[br][br] 取引先の評判も上々だ。7月から与助の牛を提供している同町の居酒屋「仁や」の店主檜山仁栄きみひでさん(49)は「脂の質がほかの牛と全く違う」と太鼓判。「お客さんからも味がしっかりしているのに脂がしつこくないと好評で、注目も高まってきている」と話す。[br][br] 一方、今年の販売頭数は2頭にとどまったことから、同農場では徐々に生産を強化する方針。佐々木さんは「年間の販売頭数を10頭程度まで増やし、将来的には販売所を開設して販売体制も充実させたい」との考えを示した。[br][br] 与助の牛は現在、仁や(3日前までに要予約)のほか、町のふるさと納税の返礼品に採用されている。今月中には与助の牛のホームページにオンラインショップも開設する予定。 「与助の牛」として出荷予定の黒毛和牛の世話をする佐々木政喜さん=10月下旬、五戸町上市川