「ワーケーション」聖地目指す 十和田・八甲田地域で取り組み本格化

十和田市営宇樽部キャンプ場の専用コテージで、ワーケーションを体験するモニターツアーの参加者。窓辺に紅葉と十和田湖の景色が広がる=10月下旬
十和田市営宇樽部キャンプ場の専用コテージで、ワーケーションを体験するモニターツアーの参加者。窓辺に紅葉と十和田湖の景色が広がる=10月下旬
新型コロナウイルス禍での新たなスタイルとして国などが進める「ワーケーション」。十和田八幡平国立公園内の十和田・八甲田地域でも、推進に向けた取り組みが本格化している。訪日外国人客の回復が見通せない中、宿泊・交通事業者らが通信環境の整備や旅行商.....
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新型コロナウイルス禍での新たなスタイルとして国などが進める「ワーケーション」。十和田八幡平国立公園内の十和田・八甲田地域でも、推進に向けた取り組みが本格化している。訪日外国人客の回復が見通せない中、宿泊・交通事業者らが通信環境の整備や旅行商品の造成などで、国内の新たな客層の取り込みや延泊を狙う。十和田市版DMO(観光地域づくり推進法人)十和田奥入瀬観光機構の担当者は「通年を通してワーケーションワーカーが憧れる聖地を目指す」と意気込む。[br][br] ワーケーションはワークとバケーションを合わせた造語で、観光地などでテレワークしながら休暇を楽しむ新しいスタイル。環境省は本年度、国立・国定公園や温泉地でのワーケーション推進に向けた補助事業を展開し、感染拡大の影響を受ける地域経済の再活性化を図るとしている。[br][br] 同機構と十和田・八甲田エリアの宿泊・交通事業者など11団体は5月、十和田奥入瀬誘客・ワーケーション推進協議会を設立。今秋から協議会や関係団体が、国の補助金を活用した整備に着手している。[br][br] 十和田湖観光交流センター「ぷらっと」を仕事の拠点にしようと、Wi―Fi(ワイファイ)環境を更新したほか、ウェブ会議用の備品なども貸し出す。[br][br] 十和田市営宇樽部キャンプ場では、コテージ1棟をワーケーション専用に改修した。10月下旬には初の一般向けのモニターツアーを実施し、3泊4日で滞在した東京都の会社員女性2人が、リモートワークの傍ら、早朝のカヌー体験やバーベキュー、奥入瀬渓流の散策などを満喫した。[br][br] 参加者の辻夕香さん(33)は「心配した通信環境は問題なかった。景色が良く、ワーケーションには最高の環境」と話していた。[br][br] このほか同協議会は、11月から来年1月にかけ、十和田湖や奥入瀬渓流、八甲田の宿泊施設を滞在拠点とした視察ツアーを計4回計画しており、ワーケーションプランの造成に向け、参加者の意見を参考にしながら課題などを探る。[br][br] 同機構の担当者は「これまで旅行者は主に自然が目的だったが、仕事ができる環境があれば、延泊や新たな客層の誘客が狙える。通年を通して滞在できることを打ち出したい」と話す。[br][br] 同協議会会員の「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」の髙橋伶央総支配人は「密になりにくい環境で、余暇に楽しめるアクティビティーが豊富にある」と魅力を語りつつ、冬場の交通アクセスの脆弱(ぜいじゃく)さを指摘。[br][br] 「冬場は来る機会が失われているのが現状。春から秋はレンタカーでも、北国以外で育った人にとって、冬の運転は敷居が高い」と話し、二次交通の確保の必要性を強調した。十和田市営宇樽部キャンプ場の専用コテージで、ワーケーションを体験するモニターツアーの参加者。窓辺に紅葉と十和田湖の景色が広がる=10月下旬