久慈港のギンザケ養殖、3季目試験始まる/密度高め、生存率見極め

海に設置されたいけすにギンザケの稚魚を投入する関係者=6日、久慈湾
海に設置されたいけすにギンザケの稚魚を投入する関係者=6日、久慈湾
久慈市漁協(皀(さいかち)健一郎組合長)が取り組むギンザケの海面養殖で、計画(2019~21年度)の最終年度となる3季目の試験が始まった。いけすを増設し、2基で12万匹を養殖する。1基当たりの密度を2季目(1万8千匹)の約3倍に高め、事業化.....
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 久慈市漁協(皀(さいかち)健一郎組合長)が取り組むギンザケの海面養殖で、計画(2019~21年度)の最終年度となる3季目の試験が始まった。いけすを増設し、2基で12万匹を養殖する。1基当たりの密度を2季目(1万8千匹)の約3倍に高め、事業化に向けて生存率や成育を見極める。[br][br] 久慈湾内に設置した直径25メートルのいけす2基で6万匹ずつを養殖。250グラム前後の稚魚を10倍近い2~2・5キロまで大きくし、来年8月のお盆時期に水揚げする。生存率90%以上、200トン超の出荷を目指す。[br][br] 水揚げしたギンザケは、今季から同漁協の食品工場で一次加工する。これまでは市外で加工していた。販路は東北地方の大型量販店が中心となる見込み。[br][br] 試験は2日に始まった。6日は内水面施設でふ化した稚魚が搬入され、関係者が淡水で育った稚魚を海水に慣らす「馴致(じゅんち)」を行った後、船上から湾内のいけすに投入した。[br][br] 同漁協の村上順一参事は「最終年度は最もハイレベルな内容になるが、成功すればいよいよ事業化できる」と期待。漁業権の取得に向けて岩手県と協議を進める考えも示した。[br][br] ギンザケの養殖試験は、28年度を予定している久慈港湾口防波堤の完成を見据えた事業。湾内の海域は波が穏やかになり、養殖がしやすくなる。海に設置されたいけすにギンザケの稚魚を投入する関係者=6日、久慈湾