青森県立大湊高(下川原堅藏校長)3年の柏海輝さん(18)が、全国商業高等学校協会(全商)主催の全9検定試験のうち、6検定で1級に合格し、同校生徒では2011年以来9年ぶりとなる6冠を達成した。同校は商業高ではないため、授業で専門的に教えない内容の検定もあったが、問題集を購入するなどして自宅学習に取り組んだ努力が実を結んだ。[br][br] 同校は総合学科で、生徒が進路に応じて必要な科目を選択できる特色がある。柏さんは2年から情報ビジネス系列を選択。2年で「珠算・電卓実務(そろばん)」「同(電卓)」「商業経済」を、3年で「簿記実務」「ビジネス文書実務」「情報処理ビジネス情報」の1級合格を果たした。1年の2月に部活をやめ、「このままでは何も残らない」と勉強に力を入れることを決意。毎日1~2時間、検定試験の学習に励んできた。[br][br] 同校では会計実務と英語が受検者不足で試験場校としての規定を満たせず、最も多く合格したとしても7検定までだった。会計実務を含めて7冠を狙っていたという柏さん。「悔しい気持ちがある」と言うが、商業・情報科目を担当する小出健太郎教諭は「6冠もしばらく出ていなかった。立派な成績だ」とたたえる。[br][br] 柏さんが最も苦労した検定はビジネス文書実務。10分間で700字以上をキーボードで打つタイピング速度が求められ、練習に1年以上を費やした。おかげでタイピング技術が上達し、「いろいろな場面で役立っているので良かった」と話す。[br][br] 卒業後は東京IT会計専門学校仙台校進学を決めている。日商簿記1級取得が次の目標で「将来は税理士になりたい」と夢を膨らませる。