八戸強盗殺人 被告の女に無期懲役判決/青森地裁「動機は身勝手で短絡的」

判決で、久保田良子被告が無期懲役を宣告された青森地裁第1号法廷=29日
判決で、久保田良子被告が無期懲役を宣告された青森地裁第1号法廷=29日
昨年10月、八戸市市川町の無職女性=当時(81)=を殺害し、現金などを奪ったとして強盗殺人の罪に問われた同市下長2丁目、無職の女(60)の裁判員裁判の判決公判が29日、青森地裁であり、寺尾亮裁判長は求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。 起訴.....
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 昨年10月、八戸市市川町の無職女性=当時(81)=を殺害し、現金などを奪ったとして強盗殺人の罪に問われた同市下長2丁目、無職の女(60)の裁判員裁判の判決公判が29日、青森地裁であり、寺尾亮裁判長は求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。[br][br] 起訴内容に争いはなく、量刑が争点だった裁判で、弁護側は「計画性が一切なかった」などと主張。懲役20年を求めていた。[br][br] 寺尾裁判長は量刑理由で、同居男性に食費を支払う約束をしていた被告が金の工面に困り、女性に借金を申し込んだが断られ犯行に及んだと指摘。「犯行までの経緯や動機は身勝手で短絡的だ」と述べた。[br][br] 犯行の計画性については奪ったのが女性が事件直前に郵便局で下ろした現金などが入ったショルダーバッグのみだった点などを理由に「認められない」とした。ただ、反省や謝罪をしている事情も踏まえても「酌むべき事情があるとはいえない」と判断した。[br][br] 被告側の弁護士は閉廷後の取材に対し、「控訴は本人の意向を踏まえた上で決める」とした。[br][br] 女性が亡くなってから29日でちょうど1年。判決を受け、遺族は「被告の言葉はとても受け入れがたく、反省や後悔の念は少しも感じられなかった。母の無念さや犯した罪の重大さと真摯(しんし)に向き合ってもらいたい」とのコメントを文書で出した。[br][br] 事件当時に不安な日々を過ごした近所の住民の一人で、女性と40年来の付き合いがあった女性(76)は「今日までいつも事件のことや彼女のことを考えていた。楽しく暮らしていた女性を、どうして殺さなければならなかったのか分からないし、悔しい」と声を震わせた。無期懲役の判決には「妥当だろうと思う。しっかりと罪を償ってほしい」と話した。[br][br] 判決によると、被告は女性方で、女性の首にネクタイを巻き絞殺。貯金通帳1通と小銭入れが入ったショルダーバッグ1個、現金6万1315円、商品券11枚(額面合計5500円相当)を奪った。判決で、久保田良子被告が無期懲役を宣告された青森地裁第1号法廷=29日