八戸地方えんぶり保存振興会(塚原隆市会長)は28日、八戸市のユートリーで総会を開き、来年2月17~20日の「八戸えんぶり」を例年通り開催する方向性を確認した。新型コロナウイルスの感染状況や国・青森県の指針により、行事内容の変更などが必要になった場合はその都度、関係者が協議する方針。市中心街でえんぶり組が競演する「一斉摺(ず)り」に関しては、参加組数に応じて例年より会場を広げることも検討する。[br][br] 国重要無形民俗文化財の八戸えんぶりには例年、県内外から大勢の観覧客が訪れるため、同振興会は開催方法などを模索してきた。[br][br] 総会には約40人が出席し、例年通りの開催を承認。同振興会によると、神事の奉納摺りやえんぶり行列のほか、御前えんぶり、かがり火えんぶりなどの各行事も実施する。更上閣が会場の「お庭えんぶり」は、例年の4日間日程を変更して2月19、20の両日開催とし、公演数も各日2回に見直した。観覧客の間隔を空けるため、1公演当たりの席数は60席程度に減らす。[br][br] 塚原会長は「市民の皆さんに、八戸えんぶりを開催して良かったと思ってもらえるようにしたい」と述べた上で、今後の感染状況を注視する考えを示した。[br][br] 一方、えんぶり組などで組織する八戸地方えんぶり連合協議会は、全組に参加の可否を問うアンケート調査を実施していることを明らかにした。11月上旬までに回答が集まる予定。[br][br] 大館恒夫会長は「これまでも災害などがあったが、えんぶりは先人たちの努力によって引き継がれてきた。感染防止対策を講じて開催したい」と強調した。