青森県は26日、新型コロナウイルスに感染し、重症で入院していた弘前保健所管内の70代女性1人が死亡したと発表した。新型コロナが原因の死者は県内初めてで、弘前市の飲食店で発生したクラスター(感染者集団)に関連。ただ、5月に感染者だった80代女性が老衰などで亡くなっており、統計上の死者は2人目となる。この日は弘前と五所川原保健所管内で新たに11人の感染を確認。飲食店クラスターの感染者数は計157人。累計は189人となった。[br][br] 同日感染が判明した女性1人は、クラスターが発生した弘愛会病院(弘前市)とは別の医療機関に勤務する職員。既に感染を確認している女性の知人で、感染経路を調査中の男性と同居していた。濃厚接触者は限定的で、医療機関全体に広がる可能性は低いとしている。[br][br] 同日現在、入院者は61人。軽症者や無症状者向けの宿泊療養施設には13人が入所。自宅療養者は19人。入院に向けた自宅待機中は36人。療養完了は31人。症状別では、重症者2人、中等症は2人増の9人。[br][br] 新たに感染が判明したのは、同市鍛冶町のクラブ「縷(ル)・シャモン」、スナック「シャモン」の利用客と同居する女性1人、職場関係にある男性1人。院内感染があった同病院職員の知人男性1人と同居女性1人で、この2人は3次感染と認定した。感染経路を確認中が7人。県外利用客も1人増加し、計5人となった。[br][br] 飲食店の感染者数は1人増の計71人。未着手54人以外の検査は終了した。同病院の検査状況は、対象者178人全ての検査に着手しており、検査済み102人(陽性2人、陰性100人)、検査中は76人。 県が厚生労働省に要請していた災害派遣医療チーム(DMAT)は、同日から同病院で調査を開始。クラスター対策班と共に感染拡大防止を支援する。[br][br] 県感染症疫学コーディネーターの大西基喜医師は「感染経路が追えていないのが計7人に上る」と明らかにした上で、「2次感染者から徐々に広がっており、だんだん厳しくなっている。濃厚接触者は追えているが、経路不明者が増えていけば市中感染になる」と懸念を示した。[br][br] 平川市の介護老人保健施設三笠ケアセンターは職員1人が感染したと明らかにした。県は入居者と職員の検体採取に着手し、27日から検査を始める。症状を訴える人はおらず、濃厚接触者の特定を急ぐ。[br][br] また、26日までに鯵ケ沢町では新たに職員1人が感染し、職員の感染者は計4人となったほか、田舎館村議2人が感染した。