【新型コロナ】高まる緊張、街は昼夜問わず閑散/弘前市内ルポ

弘前市の街の様子を撮影した写真のコラージュ(左上から時計回りに、休業の告知文を掲示する中華料理店、マスクや消毒液が棚に積まれたドラッグストア、閑散とした飲食店街の鍛冶町)
弘前市の街の様子を撮影した写真のコラージュ(左上から時計回りに、休業の告知文を掲示する中華料理店、マスクや消毒液が棚に積まれたドラッグストア、閑散とした飲食店街の鍛冶町)
大規模な飲食店クラスター(感染者集団)が発生した弘前市。感染者は今も増加の一途をたどっている。市内ではイベント中止が相次ぎ、小中学校は臨時休校を強いられるなど、日常生活にも影響が出ている。市や青森県は「市中感染」を警戒し、濃厚接触者の特定に.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 大規模な飲食店クラスター(感染者集団)が発生した弘前市。感染者は今も増加の一途をたどっている。市内ではイベント中止が相次ぎ、小中学校は臨時休校を強いられるなど、日常生活にも影響が出ている。市や青森県は「市中感染」を警戒し、濃厚接触者の特定に全力を挙げる。「感染はどこまで広がるのか」。緊張感が高まる街の様子を19、20日に取材した。[br][br] ▼身近な感染者[br][br] 「こんなにすぐそばで感染者が出るなんて。びっくりしたし、怖い」。弘前駅近くの商業ビル「ヒロロ」でアパレル店に勤務する女性(45)は率直に不安を口にした。[br][br] ヒロロでは、入居する別のテナントで従業員が感染した。女性は「ビルの中ですれ違っていたかもしれない。PCR検査を受けた方がいいのか」とも語った。[br][br] 20日午後6時ごろ、店内はすれ違う客もほとんどおらず、来店客より従業員の方が多いように感じた。[br][br] ヒロロ内の書店を利用するという市内の女性は「自分の生活範囲内で感染者が出るとは考えていなかった。これまでのように気軽には出掛けられない」と懸念した。[br][br] ▼休業か、営業か[br][br] 市は19日、飲食店に対し、月末までの休業を依頼すると発表した。その日の夜、スナックや居酒屋がひしめく鍛冶町を訪れた。いつもなら平日でも人通りがあるのに閑散としていた。依頼期間は20日からだが、前日から自主休業した店も多く、コインパーキングもがらがらだった。[br][br] 営業している店を探して雑居ビルに入ってみた。普段であれば扉越しにカラオケの歌声がもれてきても良さそうな場所でさえ、物音すら聞こえなかった。[br][br] 20日午前。市内の飲食店の様子を見ると、休業する店と営業を続ける店が混在し、対応が分かれていた。昼食時には、店頭に貼られた休業の張り紙を見詰め、残念そうに立ち去る市民の姿も見られた。[br][br] ある中華料理店は、市の依頼に応じて月末まで店の休業を決め、店頭に手書きの張り紙を掲げた。経営者の男性(69)は「休業期間を活用し、新しい生活様式に即した営業の在り方を真剣に考えたい」と話した。[br][br] ▼物資は豊富に[br][br] 全国で感染が広がった春ごろは各地でマスクや消毒液といった物資が品薄となり、混乱に拍車を掛けた。[br][br] 弘前駅近くのドラッグストアによると、「マスクも消毒液も、開店待ちをして並ばなくても買えるくらいに物がある」(従業員)。[br][br] 先週末にはマスクを求める多くの客が訪れたが、品切れになることがなかったという。[br][br] 取材中、市中心部で通行人を見掛けることはほとんどなく、子どもたちの姿も見なかった。秋の城下町を襲ったコロナ禍。「一日も早く、いつも通りの生活が戻ってほしい」と願うばかりだ。[br][br] ※取材中はマスクを着用するなど、感染防止対策を徹底して行動しました。弘前市の街の様子を撮影した写真のコラージュ(左上から時計回りに、休業の告知文を掲示する中華料理店、マスクや消毒液が棚に積まれたドラッグストア、閑散とした飲食店街の鍛冶町)