【ツイセキ!あなたの疑問】八戸国体なぜこんなに多い?

これまで八戸市では何度もスケート国体が開催されてきた(写真はコラージュ。上から時計回りに、あすなろ国体冬季大会の開会式、今冬大会の開会式、同大会スピードスケート競技の様子)
これまで八戸市では何度もスケート国体が開催されてきた(写真はコラージュ。上から時計回りに、あすなろ国体冬季大会の開会式、今冬大会の開会式、同大会スピードスケート競技の様子)
なぜだろう? どうしてかな? 普段感じている“あなた発”の身近な疑問を本紙記者が追跡取材する。掘り下げて調べているうちに、物事の本質や深層が見えてくるかも。さあ、謎を解き明かしに一緒に出掛けよう。  ◇   ◇   ◇   ◇ 国内のトップ.....
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 なぜだろう? どうしてかな? 普段感じている“あなた発”の身近な疑問を本紙記者が追跡取材する。掘り下げて調べているうちに、物事の本質や深層が見えてくるかも。さあ、謎を解き明かしに一緒に出掛けよう。[br][br]  ◇   ◇   ◇   ◇[br][br] 国内のトップアスリートが集う冬の祭典「冬季スケート国体」。八戸市では、1947年の第1回大会を皮切りに、計13回開催されており、全国最多の実績を誇る。ただ、直近では今年1月に行われたばかりにもかかわらず、早くも2026年の開催が内定。現在、23年の開催案も浮上しており、決まればわずか7年間で3回も開かれることになる。市民からは「なぜ八戸国体はこんなに多いの」「メリットって本当にあるの」といった素朴な疑問が聞こえてくる。実際にどうなのか調べてみた。[br][br] ■かつては“うまみ”も[br][br] かつては国体の開催が決まれば、施設の改修費などが国から交付される“うまみ”もあった。しかし、近年は審査が厳しくなり、施設整備効果は薄れている。[br][br] 選手の競技力向上につながっていない―との指摘も。北海道や長野県は五輪メダリストを輩出しているが、八戸では近年、世界の舞台で活躍できるような選手は育っていない。[br][br] そして何よりも大変なのはボランティアの確保だ。ある競技団体の幹部は「会場で実務を担う人を集めるのに毎回苦労している。皆いい大会にしたいと運営に当たるが、負担は相当なものだ」と内情を明かす。[br][br] ■難色示す都市も[br][br] 全国でスケート国体の開催地となり得るのは、施設のある11都市。本来開催は輪番制だが、近年は自治体の財政事情や施設老朽化から難色を示す都市もある。[br][br] それでも八戸では何度も国体が開かれてきた。その理由について、長年、運営に携わってきたYSアリーナ八戸副館長の河原木実さんは「八戸開催はいわば“おとこ気”。やれるところがないのなら、引き受けようとの思いが受け継がれている」と解説する。[br][br] では開催メリットとは何か。河原木さんによると、最も大きいのは地域への経済効果だという。[br][br] 国体開催には、1億円以上の経費が必要。費用は主催者である国や日本スポーツ協会、競技団体などが捻出するが、不足分は青森県と市が折半して出す。このため、1千万~3千万円程度の地元負担が生じる。[br][br] 一方、国体期間中は、選手や監督、観客らが大勢訪れ、地元のホテルや旅館などが潤うほか、飲食店にも金が落ちる。民間調査会社などの試算によると、経済効果は1回当たり2・5億円~5億円と言われ、自治体の負担分を差し引いても、地域にとって経済的にメリットがあるという。[br][br] ■エンタメ性提案[br][br] 大会の招致効果を最大限に生かすにはどうすればいいか。県アイスホッケー連盟の小笠原光則副理事長は、国体は、トップアスリートの滑りを間近で見ることができ、子どもたちへのアピールの場にもなっていると開催の意義を強調。まずは市民の関心を高め、多くの人に見にきてもらうことが重要との認識を示す。[br][br] 県スケート連盟の戸田金作理事は、主会場のYSアリーナ八戸が最新設備を備えていることを踏まえ、「実況や解説を交え、選手のPR動画を放映するなどし、よりエンターテインメント性を高める取り組みをしてはどうか」と提案する。[br][br]※この企画は随時掲載ですこれまで八戸市では何度もスケート国体が開催されてきた(写真はコラージュ。上から時計回りに、あすなろ国体冬季大会の開会式、今冬大会の開会式、同大会スピードスケート競技の様子)