コロナ感染防止へ飛沫可視化 八工大の取り組み進む

エーロゾルに見立てたスモークで拡散ルートなどを確認した実験=9月上旬、八戸市立市民病院(浅川拓克准教授提供)
エーロゾルに見立てたスモークで拡散ルートなどを確認した実験=9月上旬、八戸市立市民病院(浅川拓克准教授提供)
新型コロナウイルスの感染拡大防止に役立てようと、八戸工業大が、目に見えないエーロゾル(微粒子)の可視化に取り組んでいる。スモークを使って、ウイルスが飛散する様子をシミュレーションする方法で、感染症病棟などを有する八戸市立市民病院で今月、初め.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大防止に役立てようと、八戸工業大が、目に見えないエーロゾル(微粒子)の可視化に取り組んでいる。スモークを使って、ウイルスが飛散する様子をシミュレーションする方法で、感染症病棟などを有する八戸市立市民病院で今月、初めての実験を行った。今冬は新型コロナと季節性のインフルエンザの同時流行が懸念されており、例年以上に感染予防が重要となっている。医療ばかりでなく、福祉や公共交通などさまざまな分野での活用が期待される。[br][br] 同大は今年6月、医療現場支援として、同病院にPCR検体採取ボックスを寄贈。感染症病棟内にボックスを設置する際、院内の関係者から、2次感染のリスクを心配する声が寄せられたことを受け、エーロゾルの可視化ができないか検討していた。[br][br] 実験は今月上旬に行われ、検体採取ボックスの周囲をはじめ、感染症病棟内の病室や廊下、ナースステーションなどで実施した。[br][br] 医療スタッフらは、スモークの流れを目視し、ウイルスを含む飛沫(ひまつ)がどのように広がるのかを把握。スモークのルートや範囲、既存設備の換気能力などをチェックしながら、院内の感染防止策のさらなる強化について考えた。[br][br] 実験に立ち会った今明秀院長は「病室や廊下の換気の流れや強弱が明確になり、改めて病棟の安全性を確認できた」と話した。[br][br] 協力した同大機械工学科の浅川拓克准教授は「ウイルスは目に見えない。だからこそスモークを使って可視化できたのは今後の対策に大いに役立つのでは」とシミュレーションの有効性を強調した。[br][br] 同大では今後、タクシー内での検証を予定するほか、依頼があれば、福祉施設などにも出向く方針。浅川准教授は「感染対策に貢献し、患者や利用者を守ってくれる医療従事者や介護職員の皆さんの安心につなげていきたい」と話している。エーロゾルに見立てたスモークで拡散ルートなどを確認した実験=9月上旬、八戸市立市民病院(浅川拓克准教授提供)