天鐘(9月23日)

季節が深まってきた。日中はカラッとして涼風が心地良い。夕暮れが早いのは少し寂しい。朝方はだいぶ冷え込むようになったから、布団を抜け出すのがつらい。最近まで残暑に悲鳴を上げていたのがうそのようだ▼秋分の日を迎えるタイミングで、ようやく生のサン.....
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 季節が深まってきた。日中はカラッとして涼風が心地良い。夕暮れが早いのは少し寂しい。朝方はだいぶ冷え込むようになったから、布団を抜け出すのがつらい。最近まで残暑に悲鳴を上げていたのがうそのようだ▼秋分の日を迎えるタイミングで、ようやく生のサンマに巡り会えた。幾度もスーパーに足を運んだが、並んでいるのは解凍もの。「たまに入ってくるんですけど…」と店員。深刻な不漁を実感させられた▼食欲の秋は旬に限る。やはりお高いが奮発して買い込む。小ぶりでも新鮮なので刺し身に。やっぱり焼きも欲しくなった。慣れ親しんだ新ジャンルを手に、さあ乾杯。そういえばこれも近く高値になるらしい▼酒税法改正で10月からビール系の税率が変わる。350ミリリットル缶を例に大ざっぱに説明すると、新ジャンルが10円の値上がり、ビールが7円の値下がり。両者の“格差”は2026年までに段階的に解消される▼コロナ禍で家飲みの需要が高まる昨今である。「人気商品の狙い撃ちはいかがなものか」「“本物”が安くなるなら大歓迎」。さまざまな反応が聞かれる。ちなみに他のお酒ではワインが高くなり、日本酒が安くなる▼時を同じくタバコも増税。消費者は常に財布のひもを握っている。生活に身近な嗜好(しこう)品の価格変動に悲喜こもごもである。サンマのはらわたのせいだろうか、新ジャンルがいつもより苦く感じた。