近隣客の呼び込みに力 青森県内宿泊施設、安全と魅力の発信が鍵

首都圏からの旅行客が見込めない中、青森県内の宿泊施設は、県内や近隣県からの旅行客の呼び込みに力を入れている(写真はコラージュ。左上から時計回りに下風呂温泉郷、グランドサンピア八戸、グランドサンピア八戸の客室)
首都圏からの旅行客が見込めない中、青森県内の宿泊施設は、県内や近隣県からの旅行客の呼び込みに力を入れている(写真はコラージュ。左上から時計回りに下風呂温泉郷、グランドサンピア八戸、グランドサンピア八戸の客室)
新型コロナウイルスの感染拡大で首都圏やインバウンド(訪日外国人客)の旅行客が見込めない中、青森県内の宿泊施設が県内や近隣県からの呼び込みに力を入れている。国の「Go To トラベルキャンペーン」や各自治体の宿泊助成制度に合わせ、手頃な宿泊プ.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大で首都圏やインバウンド(訪日外国人客)の旅行客が見込めない中、青森県内の宿泊施設が県内や近隣県からの呼び込みに力を入れている。国の「Go To トラベルキャンペーン」や各自治体の宿泊助成制度に合わせ、手頃な宿泊プランなどを用意。近場に宿泊し、遠出しなくても旅行気分を味わえる―という新しいコンセプトを武器に攻勢を仕掛ける。一方、青森県や岩手県など地方では現在、感染が落ち着いているものの、完全に収束したという実感は乏しく、秋の行楽シーズンに向けていかに安全性をアピールし、“近場観光”の魅力を発信できるかが鍵を握りそうだ。[br] 八戸市東白山台1丁目のグランドサンピア八戸では、9月から「秋の宴会宿泊プラン」(予約は4人から)をスタート。会席料理と温泉、宿泊がセットになった「みのり会席コース」(1人税別1万2800円)は「Go To」を活用すると、35%割引で利用することができ、宿泊に関する問い合わせも多いという。宿泊以外でも入浴とランチ、休憩を合わせた「日帰り休憩温泉パック」が人気を集めている。[br] 市街地に近いながら自然に囲まれ、天然温泉も楽しめるため、高屋昌弘営業支配人は「八戸の市民にも温泉ホテルとして利用してもらい、近隣の方にも非日常を味わってもらいたい」と強調。新型コロナの拡大以降は、県内客を中心に北東北3県の宿泊者や利用者が大半を占めるという。[br] それでも8月の宿泊者数は前年比の5割にも満たないといい、高屋支配人は「県や市の宿泊助成制度を継続してもらい、難局を乗り切りたい」と力を込める。[br] 「アンコウのシーズンに合わせてお客さんを呼び込めれば」と話すのは、下風呂温泉郷(風間浦村)で「下風呂観光ホテル三浦屋」を経営する三浦庸一代表。4月下旬から休業し、6月に再開したものの、今年に入ってからの宿泊客は例年の4割ほどと落ち込みは大きいという。[br] 同村では11月から青森県在住者を対象に1泊当たり5千円(日帰りは2千円)を補助する村独自の宿泊キャンペーンを開始する予定。三浦代表は同キャンペーンをチャンスと捉えており、「客室から津軽海峡を望めるのが、うちの“売り”。特産のアンコウ料理を一新してお客さまを迎えたい」と県内からの宿泊客の取り込みに躍起だ。[br] 県観光企画課がまとめた7月の県内の延べ宿泊者数(主要宿泊施設76カ所の合計)は13万2314人。祭りやイベントの相次ぐ中止で前年同期比約4割減と厳しい状況が続いているが、前年同期比7~8割減だった4月や5月に比べると落ち込み幅は減少しつつある。[br] 県では県民限定で1人1泊5500円を割り引く宿泊キャンペーンを10月以降も継続することを計画。岩手、秋田両県の在住者にも対象を拡大し、20万泊分を用意する。7月から始めた宿泊キャンペーンは用意した5万泊分のうち、既に8割以上を売り切っており、今回、対象者を拡大したことでさらなる誘客の後押しになりそうだ。首都圏からの旅行客が見込めない中、青森県内の宿泊施設は、県内や近隣県からの旅行客の呼び込みに力を入れている(写真はコラージュ。左上から時計回りに下風呂温泉郷、グランドサンピア八戸、グランドサンピア八戸の客室)