天鐘(9月18日)

酔っ払いのホラ話と政界に吹く“解散風”は1度吹き始めるとなかなか止まらない。特にそよ風に始まる解散風は、不安と思惑に煽(あお)られ、気付けば首相の力でも止められないことも…▼権力を巡る争いは休む事なく、常に誰かが何かを仕掛けている。解散のそ.....
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 酔っ払いのホラ話と政界に吹く“解散風”は1度吹き始めるとなかなか止まらない。特にそよ風に始まる解散風は、不安と思惑に煽(あお)られ、気付けば首相の力でも止められないことも…▼権力を巡る争いは休む事なく、常に誰かが何かを仕掛けている。解散のそよ風が吹き始め、選挙の動きが始まればもうブレーキは効かない(伊藤惇夫著『永田町の回転ずしはなぜ二度回らないのか』)らしい▼菅義偉新首相は就任会見で「まずコロナ対策に全力」と早期解散に慎重姿勢。自民党総裁選も「空白をつくらない」と党員投票を回避しただけに、囁(ささや)かれる10、11月投開票の可能性は若干遠のいたように見える―▼だが、解散権を握れば噓(うそ)も許され、選挙に勝てば政権の求心力はどんどん盤石に。吉田茂首相の「抜き打ち」、中曽根康弘首相の「死んだふり」、安倍晋三首相の「国難突破」なども噓やこじつけの山だった▼戦後の総選挙で任期満了は「ロッキード選」だけ。残る24回は実(まこと)しやかな大義を“後付け”した解散だった。解散には無論リスクが付きまとい、“伝家の宝刀”を抜く頃合いと大義名分に政権の命脈を懸けてきた▼年内がなければ年明けの国会冒頭か来秋の任期ぎりぎり。党幹部は「明日にでも」と煽るが、コロナが易々隙を見せるとは思えない。コロナ対策と経済の両輪で進むのは至難の業。“宝刀”も諸刃で重く扱いが難しそうだ。